研究課題/領域番号 |
25249058
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉江 俊治 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80171148)
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研究分担者 |
東 俊一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40420400)
丸田 一郎 京都大学, 情報学研究科, 助教 (20625511)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超解像制御 / モデリング / マルチエージェント / システム同定 / 分散化制御 |
研究概要 |
次世代のシステム制御において必要とされるのは,アクチュエータとセンサのハードウエ ア的な解像度が不十分な場合でも,ソフトウエア技術で超解像化し,あたかも解像度の高いもので制御しているかのような性能を得ることである.このような制御を「超解像制御」と呼ぶ.本研究では,(a)センサ側の超解像化,(b) 数的な超解像化,(c) ソフトウエア化と実験検証,(d) モデリングに関する基盤整備,の4つの課題を設定して超解像制御論を展開し,その基盤技術を確立することを目的としている.本年度は,初年度として(a)~(d)に 関するより具体的な問題点の抽出を行った.また,それらのいくつかに対して基本的な解決法を提示した.以下にその成果を示す. (a) 解像度の低いセンサが用いられる場合に対し,粒子フィルタに基づいた超解像型状態推定法の基本的なアイデアを提案し,それを数値シミュレーションおよび実験で検証した. (b) 多数のエージェントから構成されるマルチエージェントシステムに対し,エージェント個々の情報を用いるのではなく,全体の目的達成度を含むスカラの集約された情報を用いて,高精度なフォーメーションを形成するための方法の検討を行った. (c) クアッドロータ(4枚羽のヘリコプター)を用いたフォーメーション制御実験装置の構築を行った.また,予備実験を実施し,本研究のテストベッドとしての性能を確認した. (d) 超解像制御を実現するためのモデルの複雑さに関する検討を行った.また,モデルの精度を保ちながら,複雑さを低減する手法の基礎部分を開発した. 以上の成果に加え,基礎的な成果として,一般的な非線形システムに対するアクチュエータの超解像化の手法の開発も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画とはやや異なる成果が得られつつあるが,研究代表者および研究分担者が当初想定していたものよりも高度な超解像化が実現できる基本的な原理や方法が見つかりつつあるため.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の実績をレベルアップさせる取り組みを行う.また,達成度の項でも述べたが,当初想定していたものよりも高度な超解像化が実現できる基本的な原理や方法が見つかりつつあるため,より挑戦的な課題の設定も検討する予定である.
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