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2017 年度 実績報告書

マルテンサイト変態の核生成時間―磁場を用いたアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 25249086
研究機関大阪大学

研究代表者

掛下 知行  大阪大学, 工学研究科, 教授 (90127209)

研究分担者 寺井 智之  大阪大学, 工学研究科, 講師 (20346183)
福田 隆  大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50228912)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワードマルテンサイト変態 / カイネティクス / パルス磁場
研究実績の概要

マルテンサイト変態はカイネティクスの観点から非等温変態と等温変態とに分類されてきた.ところが,従来は非等温変態すると考えられてきたマルテンサイト変態についても,近年等温変態挙動が見出されてきている.このことは,全てのマルテンサイト変態は本質的に等温的挙動を有することを示唆している.等温変態挙動が観察されるか否かは相変態に要する時間と観察する時間との相関により決まると考えられる.これまで観察されてきた,等温マルテンサイト変態に関する時間スケールは数秒から数千秒のスケールである.特に数秒以下の時間スケールについては,等温変態挙動の観察は従来全く行われていない.我々は,1秒以下の時間スケールで起こる等温変態挙動を検出するために,Fe-Ni-Mn系の合金にパルス磁場を印加することとした.Fe-Ni-Mn系の合金のマルテンサイト相の磁化は母相のそれよりも大きいため,磁場印加によりマルテンサイト相の自由エネルギーが相対的に低下する.そのため,パルス磁場を印加している時間の間だけマルテンサイト変態が可能な状態とすることができる.そこで,パルス磁場の最大磁場強度を低磁場側から順番に上げて行き,最大磁場を過ぎてからマルテンサイト変態が起きるかどうかを調査した.その結果,最大磁場を超えて数ミリ秒経過してから,マルテンサイト変態が生じるという現象をみいだすことができた.このことは,数ミリ秒という潜伏時間を必要とするマルテンサイト変態が存在することを意味している.ところで,母相からマルテンサイト相へと変態する際に,磁化は増加するが,我々は,母相からマルテンサイト相へと変態する途中段階において,磁化が一旦低下するという新しい現象も見出した.その原因の究明はマルテンサイト変態の核生成過程を解明する手がかりにつながるものと考えている.

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

備考

磁場,静水圧などの外場を利用することにより,マルテンサイト変態のカイネティクスの理解が進展したことを記述した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Elastic-like deformation and elastocaloric effect of a partly ordered iron-platinum alloy exhibiting a weak first-order martensitic transformation2017

    • 著者名/発表者名
      Fukuda Takashi、Kakeshita Tomoyuki
    • 雑誌名

      Journal of Physics D

      巻: 50 ページ: 404003~404003

    • DOI

      https://doi.org/10.1088/1361-6463/aa82f3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lattice Softening in Fe3Pt Exhibiting Three Types of Martensitic Transformations2017

    • 著者名/発表者名
      Fukuda Takashi、Kakeshita Tomoyuki
    • 雑誌名

      metals

      巻: 7 ページ: 156~156

    • DOI

      10.3390/met7050156

    • 査読あり
  • [学会発表] 応力下で時効処理したTi-50.8Ni(at%)合金におけるR相バリアントの再配列を利用した弾性熱量効果2018

    • 著者名/発表者名
      福田隆,掛下知行,Fei Xiao, Xiao Liang, Mingjiang Jin, Xuejun Jin
    • 学会等名
      日本金属学会2018春期講演大会
  • [学会発表] 等温マルテンサイト変態に及ぼす磁場効果2017

    • 著者名/発表者名
      掛下知行,福田隆
    • 学会等名
      日本磁気科学会 第12回年会
  • [学会発表] An interpretation on kinetics of martensitic transformations in some shape memory alloys2017

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Kakeshita and Takashi Fukuda
    • 学会等名
      International Conference on Martensitic Transformations 2017
    • 国際学会
  • [備考] 固相変態に及ぼす強磁場および超高静水圧効果

    • URL

      http://www.mat.eng.osaka-u.ac.jp/mse1/research/index.html#r01

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公開日: 2018-12-17  

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