研究課題/領域番号 |
25249108
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿尻 雅文 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (60182995)
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研究分担者 |
中山 忠親 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10324849)
山口 雅彦 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30158117)
高見 誠一 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40311550)
青木 画奈 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 助教 (90332254)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 超臨界 / 有機無機ハイブリッド |
研究実績の概要 |
本年度は、まず超臨界場でのナノ粒子の合成過程の解析を進めた。既に行った流通式超臨界水熱合成装置における原料水と超臨界水の混合状態の可視化実験に基づき、東北大学塚田教授来のグループと共に流れ場及びナノ粒子合成過程のシミュレーションを行った。これにより、ナノ粒子の合成場における流動状態がナノ粒子の合成過程に与える影響に対する理解を深めた。この装置を用いることで、カルボン酸を呈示させたナノ粒子とアミンを呈示させたナノ粒子の合成を試みた。これらの粒子は、脱水縮合させることでナイロン合成と同様に、2 種のナノ粒子を重合させることができると考えられる。そこで、両端にカルボン酸を有する直鎖の有機分子、もしくはカルボン酸とアミンを両端に有する直鎖の有機分子の存在下で、酸化セリウムナノ粒子の合成を試みた。その結果、有機分子の共存下ではサイズの小さな粒子が形成することが明らかとなり、その解析をさらに進めている。また、これらの粒子の重合についても重合反応を試みている。さらに、磁性ナノ粒子のナノポリマー合成による新規機能創出を目指し、磁性ナノ粒子の合成も行った。青色顔料でもあるCoAl2O4ナノ粒子を合成したところ、Znをドープすると希薄磁性酸化物ナノ粒子が生成した。T=3.4 K及びx=0.12で多重臨界点が現れ、反強磁性、スピングラス、常磁性が確認できた。常磁性はx=0.6以上で観察されるが、この濃度はダイヤモンド格子のパーコレーション閾値であり、量子臨界点の挙動と類似していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標である、ナノ粒子モノマーの合成、重合、解析に取り組んでおり、カルボン酸が表面に出たナノ粒子が表に出たナノ粒子の合成に成功するなど、概ね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度の成果をもとに、様々な官能基を表に出したナノ粒子を合成するとともに、その重合化に挑戦する。
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