本研究は、フラグメントスクリーニングにおいて、物理化学的な解析を行い、創薬の候補となりうるヒット化合物の選別とその親和性向上において有効な技術開発を行うことを目標とした。スクリーニングより得られた低分子化合物について、ITCやDSCによる熱量解析を行い、特異的な結合を示す化合物の選別(ヒットバリデーション)よりヒット化合物を得た。これらヒット化合物と蛋白質との複合体構造解析や分子モデリング解析結果を、熱量解析と共に議論することにより、1つの蛋白質に対してnMオーダーレベルのリガンドを創出することに成功した。このことから、本アプローチは新規の合理的設計戦略として有効な指針となると考えられる。
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