大気に浮遊するアスベストは、中皮腫や肺ガンを引き起こす環境汚染物質である。我々はアスベストに対する特異性のあるバイオプローブと蛍光顕微鏡を用いて、高感度にアスベストを検出する方法を開発している。角閃石アスベストであるアモサイトに特異的に結合する31アミノ酸残基のペプチドを同定している。その結合メカニズムを明らかにするために、アミノ酸を置換した変異体を使い、アモサイトに結合するアミノ酸残基を同定した。その結果、電荷的に陽性のリジン残基が結合に重要な働きをすることが分かった。さらにNMRによるペプチドの構造解析を行い、アスベスト表面とペプチドの結合のシミュレーションを行って議論した。
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