研究課題
1. HOSM造波法の確立: 本研究で提案するHOSM造波法は、あらかじめHOSMにより計算を行い、造波信号を作成する。平成26年度では、i)直進Benjamin-Feir不安定波列の造波と幾何学形状及び動学的特性の計測、ii)2次元数値水槽による造波法の検証、を行った。水槽実験は、海上技術安全研究所動揺水槽にて行った。2次元数値水槽は、動揺水槽を模擬し、空間発達と時間発達波列の、特徴を比較した。2.ステレオカメラによる3次元水位計測法の確立:i)マーカーネット法を用いた波面計測、ii)自由浮遊浮体による波面計測、の二通りの手法を、東京大学生産技術研究所海洋工学水槽と海上技術安全研究所動揺水槽にてそれぞれ行った。前者では、規則波計測により精度検証を行い、不規則波計測からの方向スペクトル推定、振幅に斜傾構造を持つ直進波列(Oblique Soliton, Breather等)の計測を行った。後者では、不安定波列の空間形状の把握、粒子速度の計測などを行った。また、水槽広範囲での計測を行うためのカメラシステムを購入した。3.海難事故時の波浪場の推算:リロケータブル波浪モデルと、そこから、位相を解像した波面の再構築のために、HOSMとの連結について検討を始めた。4.観測データの分析と整理:Buoy Tracking Velocimetryによる、海洋波の流体粒子速度の計測を行い、弱非線形理論からの推定と比較した。5.危険波に対する船体応答と波浪荷重の計測:平成27年度に予定している模型船実験の準備を行った。
2: おおむね順調に進展している
1.HOSM造波法の確立:数値水槽を活用することにより、造波法の詳細について手法の妥当性を確認できた。造波装置固有の問題も確認でき、手法は確立できたと言える。当初の計画以上に進展していると思われる。2.ステレオカメラによる3次元水位計測法の確立:マーカーネット法による計測手順は確立した。まだ、カメラ補正の精度、画像処理手順などに改善の余地が有る。おおむね順調である。3.海難事故時の波浪場の推算:おおむね順調である。4.観測データの分析と整理:HOSMを利用して、フリーク波の3次元特性について分析し、スペクトル形状への依存性を確認した。おおむね順調である。5.危険波に対する船体応答と波浪荷重の計測:当初予定していた実験水槽が使用できなかったため、平成27年度に実験を行うことになる。やや遅れている。
1.HOSM造波法の確立:手法は確立できたので、海上技術安全研究所実海域再現水槽にて、フリーク波を再現する。2.ステレオカメラによる3次元水位計測法の確立:引き続き、マーカーネット法による波面計測を行う。購入した高解像度カメラ(2000x2000、19fps)を新たに用いて、水槽及び外洋(平塚塔)での利用を検討する。3.海難事故時の波浪場の推算:リロケータブル波浪推算モデルとHOSMを連結したシステムを完成させる。4.観測データの分析と整理:一般公開用のデータセットを構築する5.危険波に対する船体応答と波浪荷重の計測:実海域再現水槽にて、弾性模型に夜実験を実施する。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件)
Ocean Dynamics
巻: 9 ページ: 1-12
10.1007/s10236-014-0751-4
Natural Hazards and Earth System Science
巻: 14 ページ: 945-957
10.5194/nhess-14-945-2014