溶融塩ブランケットの安全性と熱効率向上を目指した水素溶解度の積極的制御の実験研究

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 25249133
• 研究機関: 核融合科学研究所
• 研究代表者: 相良 明男 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (20187058)
• 研究分担者: 菱沼 良光 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (00322529) ; 田中 照也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (30353444) ; 後藤 拓也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30509518) ; 長坂 琢也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (40311203) ; 高山 定次 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (40435516) ; 深田 智 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (50117230) ; 室賀 健夫 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (60174322) ; 八木 重郎 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70629021)
• 研究期間 (年度): 2013-10-21 – 2017-03-31
• キーワード: 溶融塩ブランケット / 水素吸蔵金属 / 水素溶解度制御 / 強制循環ループ / マイクロ波加熱

研究実績の概要

金属微粒子分散溶融塩の流動特性を模擬するため、ブランケット配管材料と同様のフェライト系ステンレス鋼配管で構築した水ループ装置を用いた流動実験を行った。ループ配管屈曲部に低放射化フェライト鋼、Ni試験片を設置し、水にはTi粉末（粒径45μm、150μm）、Al2O3粉末（1μm、50μm）を含有させた。顕微鏡観察により、流速1.7m/s、12時間の試験では試験片表面に損耗が生じていないこと、また、永久磁石により磁場を印加した際に流速変化がないことを確認した。
金属微粒子添加による実効水素溶解度向上に関し、Niるつぼ内にてTi微粒子を含有させたFLiNaK中にバナジウム板(V板)を浸漬し、その上部から水素・重水素ガスを供給することで、溶融塩層を通してV板へ蓄積させた水素量を昇温脱離法により測定した（供給条件：550℃、10~1000 Pa）。Ti微粒子の含有量が約0.1wt%でも、V板への水素蓄積は大きく抑制され、実効水素溶解度の向上を実証した。
また、30Pa～500kPaの幅広い水素分圧においてFlibeとFlinabe水素透過率を測定した。Ni管壁透過抵抗を考慮することにより、低-高水素圧力領域で水素圧力に対する１次依存性と分子透過を検証した。さらに、溶融塩中へのTi微粒子を添加により、定常透過に至る時間を遅らせ、水素透過率の大幅な低減効果を定量的に確認した。この結果に基づき、ブランケット中のトリチウム透過低減への効果を検討した。
溶融塩中の金属微粒子をマイクロ波で選択加熱し、水素燃料回収を実証する試験では、昨年度開発したマイクロ波の電場と磁場の入力割合を制御できる装置を用い、Ti微粒子含有溶融塩を加熱して、水素放出挙動を測定した。溶融塩中で水素ガスを飽和状態になるまで吸収させたTi微粒子を選択加熱し、微粒子から水素放出させるための電場と磁場の入力割合条件を見出した。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Two conceptual designs of helical fusion reactor FFHR-d1A based on ITER technologies and challenging ideas (2017)
  • 著者名/発表者名: A. Sagara, J. Miyazawa, H. Tamura, T. Tanaka, T. Goto, N. Yanagi, R. Sakamoto, S. Masuzaki, H. Ohtani and The FFHR Design Group
  • 雑誌名: Nuclear Fusion 巻: 印刷中 ページ: 印刷中
  • 査読あり
• [雑誌論文] Hydrogen Solubility of the Molten Salt FLiNaK Mixed with Nano-Ti Powder (2016)
  • 著者名/発表者名: Juro YAGI, Akio SAGARA, Teruya TANAKA, Sadatsugu TAKAYAMA and Takeo MUROGA
  • 雑誌名: Plasma and Fusion Research 巻: 11 ページ: 2405099
  • DOI: 10.1585/pfr.11.2405099
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Hydrogen Permeation through Flinabe Fluoride Molten Salts for Blanket Candidates (2016)
  • 著者名/発表者名: Ryosuke Nishiumi, Satoshi Fukada, Akira Nakamura, and Kadzunari Katayama
  • 雑誌名: Fusion Engineering and Design 巻: 109-111 ページ: 1663-1668
  • DOI: 10.1016/j.fusengdes.2015.10.035
  • 査読あり
• [学会発表] Water Hydraulic Experiment as a Simulant for the Molten Salt Blanket with Metal Powders (2016)
  • 著者名/発表者名: Takuya Goto, Juro Yagi, Teruya Tanaka, Akio Sagara
  • 学会等名: 29th Symposium on Fusion Technology (SOFT 2016)
  • 発表場所: Prague, Czech Republic
  • 年月日: 2016-09-05 – 2016-09-09
  • 国際学会
• [学会発表] Hydrogen inventory control for vanadium alloy by metal powder mixing in molten salt (2016)
  • 著者名/発表者名: Juro YAGI, Akio Sagara, Takuya NAGASAKA, TeruyaTANAKA, Takuya GOTO, Sadatsugu TAKAYAMA, Takeo MUROGA
  • 学会等名: 29th Symposium on Fusion Technology (SOFT 2016)
  • 発表場所: Prague, Czech Republic
  • 年月日: 2016-09-05 – 2016-09-09
  • 国際学会
• [学会発表] Overview of Fusion Engineering Research in NIFS (2016)
  • 著者名/発表者名: Akio Sagara, Takuya Goto, Nagato Yanagi, Hitoshi Tamura, Junichi Miyazawa, Teruya Tanaka, Juro Yagi, Masayuki Tokitani, Haying Fu, Takuya Nagasaka, Ryuichi Sakamoto, Toshiyuki Mito, Takeo Muroga, Shinsaku Imagawa, and the NIFS Fusion Engineering Research Project (FERP)
  • 学会等名: Topical Meeting on the Technology of Fusion Energy (TOFE2016)
  • 発表場所: Philadelphia PA, USA
  • 年月日: 2016-08-22 – 2016-08-25
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Hydrogen Permeation through Fluoride Molten Salt Mixed with Ti Powder (2016)
  • 著者名/発表者名: Ryosuke Nishiumi, Satoshi Fukada, Jun Yamashita, Kazunari Katayama, Akio Sagara and Juro Yagi
  • 学会等名: Topical Meeting on the Technology of Fusion Energy (TOFE2016)
  • 発表場所: Philadelphia PA, USA
  • 年月日: 2016-08-22 – 2016-08-25
  • 国際学会
• [学会発表] 金属微粉末添加によるフッ化物溶融塩FLiNaKの水素溶解度制御 (2016)
  • 著者名/発表者名: 八木重郎, 相良明男, 田中照也, 長坂琢也, 後藤拓也, 室賀健夫
  • 学会等名: 第11回核融合エネルギー連合講演会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2016-07-14 – 2016-07-15