研究課題
基盤研究(A)
W-TChR2V4ラットのウィスカ毛根の光刺激により、触覚の時間・空間的なパターン(optogenetic tactile pattern, OTP)を作り出し、OTPが大脳皮質において、どのように情報処理されるかを研究する。平成25年度の研究では、この目的を達成するために、OTP装置を作製し、最適化した。すなわち、光源には、青色のpower LED (460-490 nm)を用い、コントロールとして赤色LED (620-645 nm)を用いた。PC上のプログラムで光源オン・オフパターンを作成し、16チャネルD/Aコンバーターを介して出力した(うち2チャンネルを同期トリガーに用いる)。14個それぞれのチャネルのアウトプットをブースター回路により電流増幅し、光源を駆動した。したがって,14個の光源が任意の独立した時系列パターンでオン・オフする。それぞれの光源からの光をプラスチックファイバー(φ, 0.75 mm)に導入した。W-TChR2V4ラットの片側のウィスカを剃り、それぞれのウィスカの付け根をファイバーに結合させた。また、これを用いたOpto-fMRI計測システムを最適化した。その結果、OTPに対応したBOLD信号の時空間パターンを得ることに成功した。また、皮質ニューロンマルチユニット計測および局所フィールド電位記録において、OTPに対応した皮質ニューロン活動の計測に成功した。具体的には、光刺激に同期したニューロンのバースト活動(LEB)に引き続き、10-20Hzの頻度で繰り返すバースト(PAB)が誘発された。LEB, PABは、OTPの時空間パターンに依存していた。これらの成果は、論文として報告した(Hojoh et al., 2014)。
2: おおむね順調に進展している
本研究課題の遂行において、基盤となる実験システムを開発し、最適化することに成功した。当初においては、Ca2+イメージングを組み合わせることを計画していたが、(1)Ca2+感受性蛍光タンパク質R-CAMP1コンストラクトを組込んだAAVベクターの作製、(2)2光子顕微鏡を用いたイメージング技術の最適化、にすでに取り掛かっている。
平成25年度に引き続き、Ca2+イメージングを最適化する。電気生理学的計測、Ca2+イメージング、fMRIをOTPと組み合わせ、OTPの脳内表現を解明する。
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