研究課題
昨年度の研究を発展させ、W-TChR2V4トランスジェニックラットの16か所のウィスカ毛根と16個の青色LED光源をそれぞれファイバーに結合させ、大脳皮質バレル野からユニット記録しながら、以下の2パターンで光照射した。パターン1:個々のウィスカ毛根に光をランダムな順序で繰り返し照射した。パターン2:4個のLEDのすべての組合せ1820通りを同時刺激した。その結果、それぞれのユニットは、特徴的な応答パターンで複数のウィスカに応答した。すなわち、バレル野のニューロンには、複数のウィスカの組合せに応答するものがあることが示唆された。ラットの触覚パターン認識の神経回路機構を研究する目的で、W-TChR2V4ラットのウィスカ光刺激と報酬を関連付ける条件付け実験システムを構築し、反応時間を定量的に計測することに成功した(Abe & Yawo, 2017)。本システムを用い、生後4週において視覚剥奪したW-TChR2V4ラットにおいて、感覚閾値が有意に低下することを見出した。しかし、生後8週における視覚剥奪の影響は認められなかった。すなわち、若年期における視覚情報の喪失が、1次体性感覚野の感覚検出能力を向上させたことが示唆される。微小プリズムを用いた2光子in vivoカルシウムイメージングを光操作技術と組み合わせ、大脳皮質横断的にパターン照射するシステムを用い、1次体性感覚野5層における入出力特性を解析した。その結果、2か所の5層入力が互いに興奮を抑制することにより、興奮の伝播が制限され、カラム様の出力パターンが機能構築された。すなわち、5層のある部位への入力により、周囲に抑制がかかり、シグナル/ノイズ比の促進された情報が出力することが示唆される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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