研究課題
疾患の発症のメカニズム解明や診断法・治療法の開発を行うには、疾患モデルマウスを用いた研究が有効である。本研究では、生体レベルで低酸素誘導転写因子HIFの活性を発光イメージングでモニターできるトランスジェニック(Tg)マウスを改良、および、新規レポーター遺伝子を構築して作出し、既存のTgマウスより高感度に病態イメージングが可能なマウスを構築することをめざした。平成27年度は、以下の3つの研究課題を実施した。(1)Tgマウスの改良:昨年度までに戻し交配で作成したB6系のTgの低酸素応答性を評価し、FVB系と同様の応答性を確認した。(2) 新規Tgマウスの作出:昨年度までに構築した3種類のレポーター遺伝子ベクターを用い、低酸素環境依存的にルシフェラーゼを発現するトランスジェニック(5HRE-LucTg)マウスを作出すると共に、既に新生児低酸素期におけるルシフェラーゼの発現が確認されているラインについては、ホモ個体の作出および繁殖・系統保存、成体におけるルシフェラーゼの低酸素依存性発現の確認実験を実施した。更に、CRISPR-Cas9ゲノム編集法を用いて低酸素状態を詳細にモニターできるレポーターマウスを作出した。具体的には、Rosa26遺伝子座にレポーター遺伝子をノックインしたマウスを複数作出し、これを系統化するとともにレポーター遺伝子が期待通りに機能しているかを検証した。(3)がん病態イメージングに適したrasH2マウスの作出(アルビノ化):短期発がん性マウス(rasH2マウス)をアルビノ化した、Albino- rasH2マウスについて、N-Methyl-N-nitrosourea (MNU)を用いた発がん実験(昨年度実施)にて採取した臓器等において詳細な病理学的解析を実施し、MNU誘導腫瘍のミクロ所見においても変異導入前のrasH2マウスと概ね同等であることが確認した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
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http://www.kondohlab.bio.titech.ac.jp/research