研究課題
『目的』人工制限酵素という最新技術を申請者が得意とするレンチウイルスベクターやハプロイドES 細胞などと組み合わせ、任意の遺伝子改変を可能にするオンデマンドゲノム編集システムを開発する。さらに開発した遺伝子組換え技術・動物を用いて、社会問題にもなっている不妊・不育のメカニズム解明を目指す。なお開発した遺伝子組換え技術および動物は、公的機関を通して広く生命科学研究者に提供する。『実施概要』本研究では以下の2つを大きな柱にして研究を進めている。I.オンデマンドゲノム編集システムの開発:CRISPR/Casシステムを用いて個体レベルでの遺伝子改変技術の開発を進めている。これまでにCas9とsgRNAを共発現するプラスミドを受精卵の前核に注入する手法を開発し、100系統を超える精巣特異的発現遺伝子のノックアウトマウスを作製した。点変異やノックインなどの複雑な遺伝子改変については、ES細胞を用いることで効率的に実施できることを明らかにした。II.生殖不全マウスの重点解析:区分Iで得られた遺伝子改変マウスについて、交配による妊孕性試験を行っている。その結果、10系統を超える雄性不妊マウス系統を樹立した。今後は、分子メカニズムの解明をスタートさせる。
2: おおむね順調に進展している
CRISPR/Casを用いた手法により、既に100系統を超える遺伝子破壊マウスの作製に成功し、さらに解析を始めた系統の内、10系統で雄性不妊の表現型が見られていることから、順調に進展していると判断した。
単純な遺伝子破壊と異なり、点変異やノックインなどの複雑な遺伝子改変を受精卵で行うことは難しい。そこで複雑な遺伝子改変については、処理数を増やすことのできるES細胞を活用する予定である。
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