研究課題
今年度は、各種がん細胞株のin vivo selectionによる高転移性亜株の樹立を行い、ゲノム一次構造ならびに遺伝子発現変化の網羅的解析から、タンパク質翻訳に関与するハイプシン経路ががん転移性に関与することを同定した。また、上皮間葉転換 (Epithelial Mesenchymal Transition: EMT)の変化のin vitro可視化を利用した機能的スクリーニング系を構築した。具体的には、EMT促進性miRNAの探索において、Vimentin (間葉系マーカー遺伝子)のプロモーター活性依存的に蛍光タンパク質を発現するシステムを構築しこれを用いたmiRNAライブラリースクリーニングを行い、新規EMT促進性のmiR-544aを同定した。さらにmiR-544aがTGF-βならびにWNTの両経路に作用してEMTを誘導することを明らかにした。 また、オートファジーは、がん細胞の生存・薬剤耐性に寄与することが知られ、創薬の標的経路としても注目されてきている。子宮体がんにおおいて、オートファジーによるタンパク質分解の基質p62/SQSTM1分子の高発現が、悪性形質および予後不良に関連することを明らかにした。p62分子の発現はがんの悪性化に寄与し、また各がんにおけるオートファジー活性のマーカーとなる可能性が示唆された。 一方、抗がん剤を用いた治療抵抗性の克服は、がん治療における大きな課題である。転写因子NRF2の活性化は、治療抵抗性の獲得に寄与し、一部のがんでその恒常的活性化が知られている。今回の研究で、mir-634がNRF2を含む治療抵抗性に寄与する複数の遺伝子群を同時に抑制することで、効率的にアポトーシスを誘導し、mir-634の投与が抗がん剤の治療効果を最大限に引き出すための新たな治療戦略となる可能性を示すことができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 1件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 13件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 13件、 招待講演 3件) 備考 (2件)
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