真核生物では有性生殖が一般的であるが、モデル線虫C.エレガンスの近縁種のDiploscapter corontusは単為生殖を示す。雄も精子も観察されず、減数分裂は不完全である。単為生殖のゲノム基盤を明らかにするために、この線虫の比較ゲノム解析を行った。得られた170Mbpのドラフトゲノム配列は、ほぼ90%が平均5.7%ヘテロ接合性を示す相同対を構成し、二倍体ゲノムに対応すると考えられた。半数体相当ゲノムは染色体1本であった。C.エレガンスとの比較から、性決定や減数分裂に関わる遺伝子の欠損や異常が見られ、特にrec-8など減数分裂kleisinの欠損は単為生殖機構に関わる可能性が考えられた。
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