研究課題
1.ウイルス粒子の構造解析 放射光ビームラインの整備を行い、RDVの様な超分子複合体の構造解析に必要な超低分解能データ(400A以下)の収集を可能とした。さらに高分解能X線結晶構造解析を目指し、新たに導入した高圧凍結装置の整備と高圧凍結方法の検討を行い、2.4A以上の高分解能データ収集を進めた。X線自由電子レーザー施設LCLSにおいてコヒーレント回折イメージング実験を行い、論文としてまとめた。クライオ電子顕微鏡法による正二十面体対称を仮定しない構造解析については、装置の制限により期間内に解析に必要な数のデータを集めることができなかったが、データ収集条件は決まったのでH27年度末に導入された新しい装置を利用することで解析の可能性は限りなく高まったと考えている。2.ウイルス各蛋白質の大量調製および構造解析 キャッピング酵素P5の構造決定に成功し、さらに各種反応基質との複合体の構造解析を行った。核酸結合蛋白質P7は、新たにバキュロウイルス昆虫細胞発現系による高純度大量調製系を確立し、結晶化スクリーニングを実施した。バイロプラズマ主構成成分であるPns12の全長構造を位相差クライオ電子顕微鏡により観察し、N末端領域に柔軟な構造を有し、N末端部位を利用した会合が生じていることと一部が球状の構造をとっていることを明らかにした。N末端の構造を有する部位の同定と結晶構造解析を目指した結晶化サンプル調製に取り組んだ。3.ウイルスの細胞内動態の解析 昆虫細胞への侵入に必須の蛋白質P2の構造解析を論文として報告した。昆虫細胞への侵入過程にあるウイルス粒子を電子線トモグラフィー法により可視化し、P2を介したウイルスの細胞侵入過程を詳しく調べることに成功した。X線結晶構造より提唱されたRDVの外殻形成機構を生化学的に証明するために、外殻蛋白質P8の変異体を用い、クライオ電子顕微鏡により、RDVの外殻形成が順序正しく進行することを明らかにした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件)
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