DOCKファミリー分子は、DHR-2ドメインを介して低分子量Gタンパク質を活性化する新しいタイプのグアニンヌクレオチド交換因子であり、種々の細胞高次機能を制御するが、その作用機序の詳細は不明である。本研究では、DOCKファミリー分子の機能や制御機構につき、解析を行った。その結果、1) DOCK5がFcεRI受容体の下流で機能し、マスト細胞の脱顆粒反応を制御すること、2) DOCK1ががんの浸潤・転移に重要な役割を演じることを実証した。また、3) DOCK2のリン酸化修飾や4) DOCK8の膜局在に関して重要な知見を得ると共に、5) DOCK8の新しい生体機能を発見し、その動作原理を解明した。
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