DnaAを含む複製開始複合体につい、粗い分子モデルを用いたシミュレーションによって複合体構造を組み立て、次に高精度分子モデルに焼き直した。これにより従来不可能であった多数のタンパク質とDNAを含む複製開始複合体のコンピューター内で構築することに成功した。コンピューターで構築した複製開始複合体は、両側にある2組のDnaA 5量体と、中央で孤立したDnaA単量体と3つの部分構造に分かれていた。生化学的実験を通して、この複製開始複合体の構造は、実験結果と高い整合性があることがわかった。今回の研究成果により、開始複合体の構造や働きを原子レベルに近い精度で詳しく知ることができるようになった。
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