| 研究課題/領域番号 |
25251041
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
三浦 徹 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (00332594)
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| 研究分担者 |
前川 清人 富山大学, 理工学研究部, 准教授 (20345557)
重信 秀治 基礎生物学研究所, 生物機能解析センター, 准教授 (30399555)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | ソシオゲノミクス / シロアリ / カースト分化 / 分化経路 / 個体間相互作用 / フェロモン / 形態形成 / 兵隊 |
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| 研究概要 |
今年度は，３種の日本産シロアリ類のうち特にヤマトシロアリ Reticulitermes speratus における成果が著しく進展した．本種においては，個体間相互作用がいかにカースト分化に影響を与えるかを考察するために兵隊カースト分化に着目した研究が進められているが，兵隊カースト存在の有無がいかにして他個体の分化運命に影響を与えるかを調査するため，兵隊と共存した，あるいはしていないワーカー個体におけるトランスクリプトーム解析 RNA-seq を精力的に行った．その結果，「カースト分化に直接関わると考えられる実働部隊遺伝子」および「個体間相互作用に関わる遺伝子」など，多くの有望な遺伝子群を同定するに至っている．さらにヤマトシロアリにおいては，全ゲノム配列の決定に向けた試みも行われ，シーケンシングおよびアセンブリーまでは既に完了している．遺伝子のアノテーションおよび各種解析が目下行われ，論文作成の準備も行われつつある．さらに，原始的な社会形態を持つと考えられるオオシロアリ Hodotermopsis sjostedtiにおいては，次年度に解析を行う予定である「全カーストトランスクリプトーム解析」の準備が着々と進められ，ほぼ全てのサンプル調整が既に終わっており，シーケンシングを待つ段階に来ている．この解析は他種シロアリにおいても同様に行う予定であり，データが出揃えば，系統学的な位置関係を考慮して，シロアリにおける社会進化の全容が見えてくるものと大いに期待が持たれている．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していたトランスクリプトーム解析が順調に進んでいるだけではなく，遠い計画として掲げていたゲノム解析にも着手することができ，成果も速やかに出始めているため．
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度からは，シロアリのソシオゲノミクスに専門に従事できるポスドクを雇用する予定であり，実際の実験からシーケンシング，得られたデータのインフォマティクス的解析に至るまで，幅広く担当してもらう予定である．さらに，既に成果の上がっているヤマトシロアリのトランスクリプトーム解析およびゲノム解析については，解析を完了させて論文化を目指す．今後は原始的シロアリであるオオシロアリのトランスクリプトーム解析や，派生的な種であるタカサゴシロアリ Nasutitermes takasagoensis も対象に加え，同様の解析を行うと同時に，進化系統学的な解析も並行して行うことで，シロアリにおける社会性進化の全容解明に迫る予定である．
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