研究課題/領域番号 |
25251042
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
石田 肇 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70145225)
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研究分担者 |
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00453712)
村山 貞之 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60239548)
山口 徹太郎 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40384193)
鈴木 宏正 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40187761)
道川 隆士 大阪大学, 学内共同利用施設等, 助教 (60435683)
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30192587)
弦本 敏行 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60304937)
荻原 直道 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70324605)
深瀬 均 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (00582115)
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研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2016-03-31
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キーワード | 解剖学 / ゲノム / 医用画像 / 形状解析 / 関連解析 |
研究実績の概要 |
琉球大学医学部附属病院にて、CTならびにPETーCT画像を676症例取得し、その内、524例については唾液試料を収集できた。昭和大学歯学部附属病院では、500例の側面頭部エックス線規格写真分析を完了した。検体(唾液)のDNA抽出を完了した。別に歯・顎顔面用コーンビームCTデータと検体(唾液)を有する200人の収集を完了した。このうちの100人については顎顔面計測を完了した。長崎大学医学部では、autopsy imaging画像から各種の定量的解析が可能となるための画像解析方法に関して、研究を進めている。 研究手法については、骨格形状から,部分的な特徴を抽出する手法を開発した。特に,頭部のCT画像から脳鋳型部ポリゴンを自動的に抽出する手法を開発した。また,ポリゴンに穴が空いている場合でも自動的に埋める手法を開発した。この結果形状を2多様体として扱うことができるようになった。これは個体差解析用のデータ生成を簡単にするという点において有益である。 先史オホーツク人の鼻腔形態は、本州の人々よりもさらに高く・狭く・前後に長い傾向を示した。この結果は、北へ行くほど鼻腔形態は高く・狭く・長くなるという先行研究で指摘されてきた生態地理学的パターンに従うものである。顔の掘りの深さにおける集団間差の解剖学的要因を明らかにするために,CT画像を用いて,顔の表面形状と内部構造との形態的関連性を調べた。 結果,掘りの深さといった顔の表面形状は,骨形状だけではなく,皮膚の厚さや眼球の奥まりといった軟部組織の形態を大きく反映することが分かった。日本列島人の多様性を詳細に調べるため、島根県出雲市で追加のサンプリングを行ない、それらの全ゲノムSNPタイピングをおこなった。それらの新データと既存データについて、主成分分析などを行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医用画像としてすでに、1176例を取得することが出来た。それについては、自動ランドマーキングおよびエッジ検出によるセグメンテーションにより、顔の掘りの深さの解剖学的要因を解明し、学会発表を終え、論文作成中である。鼻腔形態の研究はすでに、論文にまとめ、投稿済みである。研究手法としても、定量解析で必要となる閉じたポリゴンを自動的に作成することが可能となっており,順調であると言える。大サンプルを対象とした効率的な解析に向けて,CT画像から形状データを自動的に取得する方法を検討し、elastixソフトウェアを用い て,参照個体から複数の対象個体へのボリュームデータの変形関数を計算することで,脳頭蓋の形状を捉えるセミランドマークを自動取得すること に成功した。また、autopsy imaging画像についても分析が進み、その成果は、「ヒト大腿骨近位部における緻密骨の形態学的研究」(第119回日本解剖学会総会・全国学術集会)、「臨床用CT機器とMicrosoft Excelを利用した大腿骨皮質の定量評価の試み」(第68回日本人類学会大会)として学会発表を行っている。 サンプリングした、唾液試料は現在、琉球大学医学部ならびに昭和大学医学部で、ほぼ、DNA抽出を完了している。
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今後の研究の推進方策 |
琉球大学医学部ならびに昭和大学歯学部にて、さらに症例を追加し、医用画像、遺伝子試料を収集する。琉球大学医学部歯科口腔外科のコンビームCT画像の取得に努め、さらに症例を増やし、画像データ、遺伝子試料の増加を図る。方法については、大量データを分析する。遺伝子試料については、関連解析を進める。
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