福島原発事故でセシウム汚染米が収穫された水田(伊達市小国)を対象に、翌年(2012年)以降も継続的に試験栽培を行い、セシウム吸収の経年変化を追跡した。セシウム吸収の減少は緩慢であり、未だに100ベクレルを超える玄米が収穫されている。主要な要因は、土壌へのセシウム固定が2012年以降ほとんど進行していないことと考えられる。かたや灌漑水からの水田へのセシウム流入は、2013年以降は玄米への蓄積にとって問題とならないレベルにまで下がった。なお、2011年の汚染米の産出はきわめて局所的であったが、この局在性には土壌の母材の種類が強く影響していることがポット実験より確認された。
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