研究課題/領域番号 |
25252013
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
妹尾 啓史 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40206652)
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研究分担者 |
大塚 重人 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (10313074)
磯部 一夫 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (30621833)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 水田土壌 / 土壌微生物 / メタゲノム解析 / メタトランスクリプトーム解析 |
研究実績の概要 |
新潟県農業総合研究所の水田において、代掻きから水稲収穫後までの水稲栽培期間中、経時的に土壌を採取した。水田土壌にアクリル円筒を挿入し、下部をおさえて持ち上げ、田面水を除き、アクリル円筒ごと液体窒素で凍結した。実験室に持ち帰り、-80℃で保存した。実験室において凍結試料からアクリル円筒をはずし、ナイフで表層1cmの酸化層相当部位、その直下の部位、5cm深さの還元層に相当する部位を切り出した。土壌試料の理化学性(土壌pH、Fe2+など)を測定した。凍結せず低温で持ち帰った土壌を用いて硝化・脱窒活性を測定した。土壌試料からDNAとRNAを市販のキットを用いて抽出・精製した。RNAはrRNAとmRNA濃縮画分に分ける操作を行った。それぞれ逆転写によりcDNAに変換し、次世代シーケンサーMiSeqを用いてシーケンスを開始した。 一方、不織布製のポットに土壌を詰めて水稲を移植したものを水田に埋設して栽培した。水稲の生育段階ごとにポット内の土壌を水稲ごと取り出し、根圏土壌を採取した。ポット外の土壌もサンプリングし、非根圏土壌とした。液体窒素で直ちに凍結して実験室に持ち帰った。根圏土壌ならびに非根圏土壌からDNAを抽出して16S rDNAをPCR増幅し、MiSeqを用いてメタアンプリコンシーケンスを行った。シーケンスデータを解析して根圏・非根圏土壌の微生物群集組成と栽培期間におけるその変動を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メタトランスクリプトーム解析において、土壌RNAをrRNAとmRNA濃縮画分に分ける操作に時間を要したものの、それ以降の操作は順調に進み、シーケンスを開始できた。 水稲根圏・非根圏土壌のメタゲノム解析を計画通り進め、16Sメタアンプリコンシーケンスとシーケンスデータ解析を行って、両土壌の微生物群集構造とその経時変化を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
メタトランスクリプトーム解析を進めて、水田土壌で活性の高い微生物群集と転写されている機能遺伝子の時期的・空間的変動を明らかにする。 また、水稲根圏・非根圏土壌のメタゲノム解析を進めて、微生物群集構造と機能遺伝子構造の詳細、その変動を明らかにする。
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