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2014 年度 実績報告書

水田メタゲノミクス:持続的生産を支える土壌-根圏微生物とその機能の全貌解明

研究課題

研究課題/領域番号 25252013
研究機関東京大学

研究代表者

妹尾 啓史  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40206652)

研究分担者 大塚 重人  東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (10313074)
磯部 一夫  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (30621833)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード水田土壌 / 土壌微生物 / メタゲノム解析 / メタトランスクリプトーム解析 / 土壌学
研究実績の概要

新潟県農業総合研究所内の水田圃場から経時的に採取した土壌サンプルからRNAとDNAを抽出し、次世代シーケンサーによるシーケンス解析とその後のインフォマティクス解析を進めた。
湛水前、湛水期、落水期、収穫後に採取した各土壌の表層、表層直下、下層土壌から抽出したRNAを用いてパイロットメタトランスクリプトーム解析を行い、微生物群集構造と窒素変換反応に関わる機能遺伝子の転写産物を解析した。その結果、以下の事柄が明らかになった。(1) 湛水期の下層土ではDeltaproteobacteriaやAcidobacteriaの割合が増加した。(2) 古細菌については年間を通してどの層においてもMethanomicrobiaが高い割合を示していた。(3) Deltaproteobacteriaの中では年間を通じてどの層においてもGeobacter, Anaeromyxobacterが優占していた。好気的な土壌ではSorangiumやChondromycesが優占していた。(4) Deltaproteobacteria由来の窒素変換反応(窒素固定、脱窒、DNRA)機能遺伝子の転写産物が多く検出された。
一方、土壌DNAを用いた16S rDNAアンプリコン解析を行い、根圏土壌、非根圏土壌それぞれにおける細菌群集の量、多様性、群集組成の変動を解析し、変動に大きく寄与している細菌をOTUレベル、phylumレベル、属レベルで明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

水田から経時的・層位別に採取した土壌サンプルについてパイロットメタトランスクリプトームを行い、活発な微生物群集構造と窒素変換機能遺伝子の転写状況の概要を明らかにし、Deltaproteobacteriaの重要性を見出したとともに、より詳細なディープメタトランスクリプトーム解析を実施する土壌サンプルを決定することができた。
根圏・非根圏土壌の細菌群集組成の変動と大きく変動している微生物群について、信頼性の高い情報を取得することができた。

今後の研究の推進方策

時期を絞った少数の土壌についてディープメタトランスクリプトーム解析を実施し、窒素変換機能遺伝子の転写状況についての詳細な情報を得る。
水田土壌と他の環境のメタゲノム解析情報を比較して、水田土壌の微生物性の特徴を浮き彫りにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 水田におけるバルクおよび根圏土壌細菌群集の構造とその周年変動2014

    • 著者名/発表者名
      角田洋子、白鳥豊、伊藤英臣、堀知行、西澤智康、磯部一夫、大塚重人、妹尾啓史
    • 学会等名
      環境微生物系学会合同大会2014
    • 発表場所
      アクトシティ浜松
    • 年月日
      2014-10-22 – 2014-10-24
  • [学会発表] 21世紀の土壌微生物研究の目指すもの2014

    • 著者名/発表者名
      妹尾啓史
    • 学会等名
      環境微生物系学会合同大会2014
    • 発表場所
      アクトシティ浜松
    • 年月日
      2014-10-22 – 2014-10-24
    • 招待講演
  • [学会発表] 水稲根圏の微生物の群集組成とその栽培期間における変動-16Sメタアンプリコンシーケンスによる解析-2014

    • 著者名/発表者名
      角田洋子・白鳥豊・伊藤英臣・堀知行・西澤智康・磯部一夫・大塚重人・妹尾啓史
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2014年度東京大会
    • 発表場所
      東京農工大学工学部
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-11

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公開日: 2017-01-06  

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