研究課題
1.アブラナ科植物の自家不和合性1)受粉時の乳頭細胞内イオン濃度調節に関わる輸送体の解明:他家受粉時には、乳頭細胞内から花粉に向かってCa2+輸送体ACA13を持つ細胞内小胞の細胞外輸送が促進されることが明らかとなった。一方、自家受粉時には、乳頭細胞内のCa2+濃度が上昇し、上記小胞輸送が阻害されることを見出した。さらに薬理学的解析から、このCa2+濃度上昇には、グルタミン酸受容体GLRを介した細胞外からのCa2+流入が関与することを明らかにした。2)自家不和合性情報伝達系に関わる因子の解明:自家不和合性を付与させたシロイヌナズナを変異原処理して得られた自家和合性復帰突然変異株の原因遺伝子を次世代シーケンサーにより解析し、NRPD1a遺伝子にナンセンス変異を持つことを見出した。NRPD1aはRNAポリメラーゼⅣa複合体の構成要素であり、今後自家不和合性反応における役割を明らかにしていく必要がある。3)シロイヌナズナの系統により、CO2ガスによる自家不和合性打破の感受性が大きく異なることを見出した。今後、感受性が大きく異なる株の後代の遺伝学的解析から、CO2感受性を規定する遺伝子座の特定を進めていく必要がある。2.ナス科植物の自家不和合性1)ナス科ペチュニアの花粉において、5種類のCullin-1分子種が発現していること、その内のCUL1-Pのみが、花粉特異的SKP-1(SSK1)および自他識別に関わる花粉因子SLFsと複合体を形成し、非自己S-RNaseの無毒化に機能していることを見出した。また、無毒化においては、受粉初期の段階で、花粉管先端領域におけるS-RNase濃度が、自家受粉時にくらべ他家受粉時に低くなっていることが示された。今後無毒化の詳細な仕組みを明らかにしていく必要がある。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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