研究課題/領域番号 |
25252025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮澤 陽夫 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20157639)
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研究分担者 |
仲川 清隆 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80361145)
都築 毅 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00404848)
木村 ふみ子 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50321980)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 抗肥満 / メイラード / 動物実験 / 細胞実験 / LC-MS/MS |
研究概要 |
本研究は、食品として摂取したメイラード産物の生体への影響について、特に抗肥満・抗炎症との関わりについて明らかにすることを目的としている。 本年度は、まず、バイオアベラリティの評価に先立ち、メイラード反応初期産物を多く含む食品を明らかにするため、牛乳、チョコレート、味噌、醤油など食品素材に含まれるメイラードの初期産物のAmadori-PE、後期産物のcarboxymethyl-PEまたはcarboxyethyl-PEのLC-MS/MSによる定量分析を試み、味噌のようにリン脂質と糖の存在下で発酵(長期保存)を行う食品にAmadori-PEが含まれることを確認した。一方、味噌と同じ大豆由来で長期間発酵を行う醤油については、醤油、醤油残渣、醤油製造時に発生する油脂いずれにおいてもAmadori-PEは検出されなかった。牛乳については、後期産物のcarboxymethyl-PEとcarboxyethyl-PEが検出されたが、glycosyl-PEは検出できなかった。牛乳に含まれる主な糖質はラクトースであるため、牛乳に存在するAmadori-PEはラクトース型である可能性が高い。 また、抗肥満素材の機能性評価方法として脂肪細胞とマクロファージの共培養系を導入し、メイラード産物の抗肥満・抗炎症評価を行う体制を整えた。さらに、メイラード産物と生体との関わりについてのこれまでの研究成果をまとめ、総説として発表した。(Clin. Chem. Lab. Med., 52: 47-52, 2013)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は予定を変更し、バイオアベラリティの評価の評価に先立ち、次年度以降に計画していた、メイラード反応初期産物を多く含む食品の調査を優先して行った。この結果、牛乳および粉乳にメイラード産物で興味有る知見が得られた。また、脂肪細胞とマクロファージの共培養系の導入に伴い、in vitroでのメイラード産物の評価が可能になり、次年度以降の研究準備が整った。さらに、生体との関わりについてのこれまでの研究成果をまとめることで、今後の研究推進が可能になった。よって、事業はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究から、牛乳にはラクトース型Amadori-PEが含まれる可能性が示唆されたため、標品の作成と分析方法の確立を中心に実施する予定である。さらに、調製したlactosyl-PEに関して、その機能性と安全性を評価する。 また、抗肥満素材の機能性評価方法として脂肪細胞とマクロファージの共培養系の準備が整ったため、メイラード反応産物の抗肥満および抗炎症に関わる機能性評価を行う体制を整えることができた。そのため、次年度以降、この評価系を用いて、Amadori-PEとCLMについて、抗炎症と抗肥満効果について検証する。
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