研究課題/領域番号 |
25252040
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
長谷部 正 東京農業大学, その他部局等, 教授 (10125635)
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研究分担者 |
川本 隆史 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (40137758)
原 塑 東北大学, 文学研究科, 准教授 (70463891)
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研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2016-03-31
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キーワード | 農業経済学 / 倫理学 / 脳 / 神経 / 人間生活環境 |
研究実績の概要 |
(1)応用脳科学実験:①fMRI実験(異文化集団間の接触がもたらす認知プロセスの変化に関する脳活動計測):大学生を対象に、日韓両国の農村地域において地域住民との協働による「地域づくり提案ゲーミング」を通じた異文化接触を契機とする社会的アイデンティティ形成に関する脳活動を計測した。②NIRS実験(食嗜好の判別):ニューロマーケティングの観点から農村再建のための脳科学の適用を検討するために、市販の複数の飲食品を対象に、試飲食による「噛んで食べる」際の脳血流パターンを分析し、脳活動による味覚反応と食嗜好判別を行った。対象とした3グループの飲食品のうち、生ビールと発泡酒に関しては判別率91%で、これはNIRSで求められる最大確率での判別という成果であった。ただし、実験対象者数が11と限定的であるため、サンプル数を増やして同様の結果が得られるかを確認することが課題として残された。 (2)ワークショップを開催(2014年5月20日と8月1日、場所:東北大学大学大学院農学研究科)し、本研究のキーワードである創発と融合を気づきと連携に読み替える意義について整理しつつ、農業経済学を中心とする人文社会科学と社会脳科学との連携方法について議論した。また、農村風景を物語り論と役割意識創発の観点から評価した。 (3)(1)の①における地域づくり提案ゲーミングを次のように実施した。①2014年11月10日~14日, (場所:韓国全羅北道井邑市北面)、②2014年11月28日~29日, (場所:宮城県東松島市宮戸島月浜地区)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NIRSによる体動を伴う脳活動計測において、実験固有課題に起因する脳活動のみの特定が予想外に困難であった。そのため、実験条件の再検討を繰り返すことによって遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目玉であるfMRI実験に関しては、国外と国内における地域づくり提案ゲーミングに参加した被験者を2群に分けて取得できた計測データの解析を深め、異文化接触を契機とする社会的アイデンティティ形成にかかわる知見を見出す。また、NIRS実験においては、サンプル数と実験課題の追加を図り、解析結果の信頼性を確保する。
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