| 研究課題/領域番号 |
25252045
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
牧野 義雄 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70376565)
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| 研究分担者 |
野口 航 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80304004)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 分光分析 / 農業工学 / 農林水産物 / 細胞・組織 / 酵素 |
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| 研究概要 |
青果物の鮮度低下に大きく影響を及ぼす要因の一つが呼吸であり、保有する同化産物を消耗する生物反応であることから、収穫後においては外観品質の劣化、栄養分の消耗、目減り等を引き起こす。そこで、細胞内に取り込んだO2分子の大部分を消費し、鮮度保持期間と関係が深い呼吸酵素「シトクロムcオキシダーゼ(COX)」の青果物組織中での活性分布を、光センシングを利用して非破壊的に予測する手法を確立する。
部分的に呼吸速度と品質変化の程度が異なり、呼吸酵素濃度分布と鮮度低下速度の関係に関する研究を行う実験試料として適しているブロッコリーを試料として研究を行った。ブロッコリー花蕾部組織内の微小空間における分光吸収スペクトルは部位によって異なった。部分最小二乗回帰分析(PLSR)の結果、COX活性の非破壊推定が可能であることが明らかになった。野菜組織におけるCOXの存在は微量であるかもしれないが、過去にはネコの脳において当該酵素の光吸収を非破壊で測定した研究例も存在する。従って、本研究で得られた成果は、野菜中における当該酵素活性の非破壊予測も十分可能であることを示唆する。本研究のPLSRで得られたスコアプロットから示された結果から、特定の波長における光吸収が、COX活性の非破壊推定に寄与していると考えられた。
COXとともに植物細胞内でO2を消費する酵素としてオルタナティブオキシダーゼ(AOX)が存在する。COXとの違いは、酸化的リン酸化に関与せず、高エネルギー化合物(ATP)を生成しないため、生理活性の促進に影響しないことである。トマトを試料として環境温度、O2濃度を変えて貯蔵し、COXとAOXの活性比率を測定したところ、O2濃度はAOX活性に影響を及ぼしたが、温度の影響は小さかった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにCOX活性を分光分析で推定する方法を明らかにした。当該成果は過去に例のない、初めての知見であるとと同時に、本年度の達成目標であったことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
さらに、青果物の貯蔵環境条件がCOXとAOXの活性比率に及ぼす影響まで検討することができた。これも本年度の達成目標であったことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
染色強度として評価されるCOX活性の、光センシング（分光分析）による非破壊推定は初めての成果であることから、論文等にて公表する前に、実験結果の再現性を慎重に確認したい。
その後、COX活性が青果物の鮮度低下速度に及ぼす影響を検討する。分光分析にてCOX活性を推定すると同時に内部・外部品質の低下速度との関係を統計解析によって明らかにする。
青果物貯蔵中におけるCOXとAOXの活性比率変動に関する研究も併せて行う。安定同位体比の変化を調べるとともに、COX活性の占有率を裏付けるために、ATP濃度の変化についても、併せて追跡する。
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