研究課題/領域番号 |
25253002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
畑山 範 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20143000)
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研究分担者 |
石原 淳 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80250413)
高橋 圭介 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60380854)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 合成化学 / 全合成 / 天然物 |
研究概要 |
本研究では、強力かつ特異的な細胞機能制御活性をもち医薬開発リードや生命科学学研究のツールとして有望視されながら天然から純粋な形での獲得が困難な状況にあるラジョラマイシン、ウェルウィスタチン、ハリクロニンAおよびマリネオシンA、Bを研究対象として取り上げ、全合成研究をとおしてこれら天然物の量的供給ならびに多様な誘導体の合成を可能にする効率的合成法と新規な有用分子構築法を確立することを目的としている。まず、ラジョラマイシンに関しては、インジウム触媒Conia-エン反応と野崎-檜山-岸反応を基軸とするルートで鍵中間体である右セグメントの量的供給に成功した。また、左セグメントの合成に必要な3-メチル-4-ニトロペンタ-1,3-ジエニルスタナンの合成にも成功したが、立体選択性ならびに収率に課題が残った。ウェルウィスタチンに関しては、ラセミ基質を用いてパラジウム触媒タンデム環化反応を鍵とするインドリノン環に縮環したビシクロ[4.3.1]デカン骨格を持つ鍵中間体の大量合成に成功した。ハリクロニンAに関しては、アミドカルボニルラジカルの環化に基づき、本天然物のコアをなす3-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-2,7-ジオン骨格の立体選択的構築法を開発した。マリネオシンA、Bに関しては、ピロール誘導体の鉄や銅触媒等を用いる分子内および分子間C-Hアルキル化に基づき、30%以下の低収率ではあるが鍵中間体の合成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本合成研究の標的化合物であるラジョラマイシン、ウェルウィスタチン、ハリクロニンAおよびマリネオシンA、Bについてそれぞれ鍵となる方法論の開発と中間体の合成を達成することができた。しかし、同時に、収率、選択性等の改善点も見出した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの所研究計画の変更は特にない。反応条件の詳細な検討により収率、選択性等の改善を図りつつ標的化合物それぞれについて全合成を推進する計画である。
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