研究課題/領域番号 |
25253012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
甲斐 広文 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (30194658)
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研究分担者 |
首藤 剛 熊本大学, その他の研究科, 准教授 (80333524)
スイコ メリー・アン・ソテン 熊本大学, その他の研究科, 助教 (20363525)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アミロイドーシス / トランスサイレチン |
研究概要 |
1.cell freeのIn vitro評価系として,精製V30M TTRタンパク質を用いた384 well-baseの評価方法を確立した.評価方法はANS binding assay,ANSの四量体と単量体結合時の蛍光波長の違いを基に四量体形成阻害能をモニターすることを原理とする.このassay系の妥当性評価のため,実際スクリーニングに用いる機器を使用しvalidationを行った.その結果,assay系のwell間のバラつきや正確性は合格圏内であることが証明された. 2.これまでのTTRタンパク質の構造解析結果を基に,四量体形成に重要な領域を6サイト同定した.これを基に単量体にのみ結合する化合物,変異型TTRの四量体形成を阻害する可能性のある化合物を探索したところ,リードライク化合物は11種類,フラグメント化合物は7種類を絞り込んだ.そこでこれらの化合物がTTRの四量体形成を阻害し,変異型TTRの細胞外分泌が抑制されるか否かをヒトV30M TTRを安定的に発現する恒常発現HEK293細胞に処理し,V30M TTRのMedium中への分泌率を検討した.その結果,可能性ある化合物の一部に分泌を抑制する作用を見出だした.しかしこの作用が正常型TTRにおいても見られたと同時に,処理した細胞の形態変化が観察されたことから,細胞機能に何らかの影響が及んでいると考えられる. 3.興味深いことにIn silicoで予測された化合物の1つに,V30M TTRの四量体を安定化する作用を見出だした.そこで,この化合物を精製V30M TTRタンパク質に前処理しアミロイド形成を施したところ,線維形成が有意に抑制され,更にDiflunisalとの共処理により相加的なアミロイド抑制作用が見られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薬物のスクリーニングがスタートできるような体制が確立されているため
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今後の研究の推進方策 |
リード化合物の選定まで、次年度までに終了させ、in vivoでの試験に入る。
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