研究課題
電位依存性ホスファターゼVSPは単一の電位センサードメインと単一の細胞質側ホスファターゼ活性領域が共役し、膜電位依存的に酵素活性を変化させる。この共役機構として酵素領域の局所の構造変化による活性制御が重要である可能性と、基質であるイノシトールリン脂質との距離の制御が重要である可能性を検討するため、非天然蛍光性アミノ酸であるL-Anapを遺伝学的に導入する手法を用いて、発現系細胞での蛍光・膜電位の同時計測を行った。膜内に分布することが知られるDPAをL-AnapのFRET acceptorとして用いて、膜電位依存的なL-Anapの蛍光強度の計測を試みたところ、電位センサーと酵素の共役がFRETの程度を変化させるという知見は得られなかった。一方、細胞質側の各部位へL-Anapを導入したコンストラクトにおいて明確な膜電位依存的な蛍光強度の変化が観測され、更に基質の存在に影響を受けるような蛍光信号の変化が観測された。このことから、VSPにおける共役には、基質との距離の制御よりも酵素活性部位の構造変化が重要であると考えられた。電位センサードメイン2つでチャネルとして機能する電位依存性プロトンチャネルVSOPについては、不飽和脂肪酸によるゲート機構の調節について、様々なヘッドグループをもつ化合物の作用をインサイドアウトパッチ法により計測を行った。ヘッドグループ末端がメチル化されたArachidonic Acid Methyl Esterでは増強作用が極度に減弱し、末端にヒドロキシグループをもつAnandamide でもアラキドン酸と同様な増強作用が見られたことから、末端に親水性構造が存在する必要があることが明らかになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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