研究課題
本研究では、最近我々が細胞内生成を明らかにしたシステインパースルフィドをはじめとした活性ポリスルフィドの生理機能を明らかにするために、活性酸素シグナルのユニークなレドックスシグナル記号(コード)として機能する「システイン―ポリスルフィド・コード」の司る活性酸素シグナル伝達機構を解明することを目的としている。昨年度までの研究において、細胞内ポリスルフィドの各種検出・定量法の開発を行い、活性酸素シグナルに関連した細胞内ポリスルフィドの動態の解析を行ってきた。本年度の研究では、活性イオウ分子種とセカンドメッセンジャーのセンサータンパク質連関およびタンパク質ポリスルフィド化により制御されるシグナル伝達機能の解明に向けて、ポリスルフィド化タンパク質解析法の開発およびポリスルフィド化分子機構の解析を行った。タンパク質ポリスルフィド化を特異的かつ高感度に検出する方法としてPEG-maleimide labeling gel shift assay(PMSA)法を開発し、大腸菌発現系による組換えタンパク質や細胞内タンパク質の解析を行った結果、様々なタンパク質が各種レベルでポリスルフィド化されていることが分かった。また、タンパク質ポリスルフィド化に関連したシステインパースルフィド産生系として、これまで知られていたシスタチオニンβ-シンターゼやシスタチオニンγ-リアーゼとは異なる、翻訳に共役した新規システインパースルフィド産生系を発見した。このシステインパースルフィド産生系により多くのタンパク質が翻訳とともにポリスルフィド化を受けることが示され、タンパク質ポリスルフィド化が活性酸素シグナル制御に重要な役割を果たしていることが示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 5件、 査読あり 15件、 謝辞記載あり 11件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 4件、 招待講演 14件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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