研究課題
我々が最近独自に報告したポリ(ADP-ribose)ポリメラーゼスーパーファミリーメンバーであるZAPS分子の新たな役割としてRNAサイレンシングの制御因子として機能する可能性が示唆されてきた.ZAPSに着目して更に解析を進め,ウイルス感染防御の今までに無いメカニズムとして,RNAサイレンシングの脱制御による“antiviral transcriptome”の活性化という新たな概念を提示したい.更に感染以外のストレス刺激に対する細胞応答時に作動するRNAサイレンシング制御因子をZAPS以外にも探索し,様々な“sub-transcriptome”の存在を追求したい.ひいては,細胞応答時のタンパク質発現誘導の基盤的な機序として知られている転写因子による制御とは別に,特定のサブセットのタンパク質誘導をもたらす新しい転写後制御機構の存在を示すことを目指している.本年度は,IFN下流で誘導されるISG mRNAsのZAPSの詳細な制御機構について解析を行い, ZAPSによるISG mRNAsの発現調節には,pre-mRNAの下流で,mRNAの安定性に寄与していることが示唆された.また,ZAPSノックアウト細胞を用いた詳細な解析や,ZAPSが制御するmRNAを網羅的に解析するために,HITS-CLIP のアプローチを用いてZAPS結合RNAについて調べた.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017
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PLoS Pathog
巻: 13 ページ: e1006145
http://doi.org/10.1371/journal.ppat.1006145
Cell Death Dis.
巻: 8 ページ: e3078-e3078
10.1038/cddis.2017.461