研究課題
ミトコンドリア異常に起因する疾患の病態の把握と診断のために、3つのプロジェクトからなる研究を開始した。(1)ミトコンドリア機能維持機構の基礎研究、(2)ミトコンドリア検査診断システム、そして(3)体細胞ミトコンドリアDNA解析のである。これら3つのプロジェクトは、ほぼ所期の目的を達成することができた。以下成果の概要を記載する。(1)ミトコンドリア機能維持機構の基礎研究:機能不全ミトコンドリアを除去するマイトファジーの制御にMAPK1(Autophagy, 2015)、Sin3-Rpd3(J Cell Sci、2014)が必要であることを証明した。ミトコンドリアDNAの複製は核のDNAと大きく異なる二つも機構からなる。複製中間体の詳細な解析から、そのうちの一つの複製機構においてミトコンドリア転写因子であるTFB2とミトコンドリア転写酵素であるミトコンドリアRNAポリメラーゼがミトコンドリアDNA複製に必須であることを示した(J Biochem, 2016)。また転写されたmRNAのプロセッシングと安定性にミトコンドリア内プロテアーゼClpXPが重要な役割を果たしていることを証明した(投稿中)。(2)ミトコンドリア検査診断システム:ミトコンドリアはエネルギー代謝の中心であることから、血中の代謝産物を網羅的に解析するメタボローム解析システムを実用化し、実地解析に利用している(Diabetologia, 2015)。20人のミトコンドリア病患者の血漿解析から診断に有用な新規な代謝産物を同定した(論文作成中)。また組織特異的ミトコンドリア機能障害マウスの解析から、ミトコンドリア障害組織に特徴的な代謝産物を同定している(投稿中、一部未発表)。(3)体細胞ミトコンドリアDNA解析:リー脳症の新規原因遺伝子としてECHS1の変異を同定した(Hum Mut, 2015)
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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