研究課題/領域番号 |
25253046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, アジア疫学研究センター, 特任教授 (70144483)
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研究分担者 |
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
大久保 孝義 帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30147524)
藤吉 朗 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (10567077)
村上 義孝 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90305855)
高嶋 直敬 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (80435883)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 公衆衛生学 / 疫学 / 国際共同研究 |
研究概要 |
滋賀県草津市一般住民から無作為抽出された集団の追跡調査について、平成26年3月までに800名以上が終了し、申請時の計画目標人数(500名)を上回った。応諾率は70%程度と当初の予想範囲であった。調査に当たっては死亡状況や動脈硬化関連疾患の発症の把握に努め、今後の予後追跡調査の精度を高める目的で、住民票、人口動態統計などの閲覧に関する合意を対象者から得るよう努めた。 米国白人、ハワイ在住日系米人、草津市住民の40 歳代男性900名(ERAJUMP 3 集団)の追跡データを比較検討するため、ピッツバーグ大学公衆衛生大学院関川准教授らを中心としたメンバーと、平成25年6月13日、7月30日、10月7日合計3回、国際運営委員会ならびに解析結果研究会を実施した。米国の疫学研究(MESA)との共同研究についても、MESA運営員会および滋賀医大倫理委員会からの了承後、MESAからデータを取得し、米国と日本の一般住民における冠動脈石灰化病変の比較検討を行った。その結果について、現在、米国学術誌に投稿中である。メタボローム分析の本研究への導入を検討するにあたり、慶應義塾大学医学部メタボローム研究グループ(武林教授)、Imperial College Londonのメタボローム研究グループ(Paul Elliott 教授)と、平成25年10月2日に研究協議・情報交換を行った。動脈硬化に関する新規バイオマーカーの一種である酸化LDL、LOX-1 ligand containing ApoBと頸動脈硬化指標であるIMTとの関連の検討を行った。ゲノムワイド関連分析を用いて、分析対象者の高血圧遺伝子多型を確定させた。現在、京都大学医学研究科附属ゲノム医学センター田原准教授らとともに、高血圧遺伝子多型と血圧値との関連を分析検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に従い概ね適切に研究が実施されたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究にて追跡調査が完了すれば、日本人の潜在動脈硬化の進展および疾患の発症・死亡をアウトカムとした予後予測因子を検討することが可能となり、今後の日本人の動脈硬化関連疾患予防の上で、公衆衛生学および臨床医学上重要な知見を提供しうると確信している。そのためにも縦断データにて検証すべき新たな仮説を検討する必要がある。 また、発症・予後調査として、平成 21~23 年度の調査協力者を対象に、循環器疾患新規発症内容の詳細(病型など)、その後の予後(死亡の場合は死因を含めた)調査を開始し、データベースの作成を行う予定である。 更には、潜在性動脈硬化測定方法の標準化に関する精度管理のための協議(国際精度管理委員会)、米国MESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)との共同研究の発展、メタボローム分析導入の検討(慶應義塾大学との研究協議等)、遺伝子多型と動脈硬化度との探索的な検討、等についても、引き続き研究実施計画通り進めていく予定である。
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