研究課題
基盤研究(A)
1. RNF213 R4810K により感受性の高まる病態群の解明:2006年から追跡を開始した家系においてMRAにより(脳、心、腎)動脈の狭窄病変の有無でリスクを検討した。内頚動脈終末部における狭窄病変は、進行していることが確認できた。上記追跡調査にあわせて、過去の感染症の既往歴について聞き取り、系統的に行い現在集計中である。2. RNF213 R4757K 高発現Transgenic mouseの作製と形質の評価:現在ヒト遺伝子のsynthenyであるRNF213 R4757Kおよびwild typeのRNF213を、CAG配列をPromoterとしてLoxPの系に挿入し、過剰発現系Transgenic mouseを作成した。また、得られたTransgenic F1は、現在Tie-CreおよびSM22α-Creと交配を開始した。3. もやもや病発症にあたりRNF213 R4810Kとともに作用する環境要因の解明:R4810Kの過剰発現を引き起こす契機の同定と過剰発現が与える影響について系統的に探ししつある。Promoter Assay: Interferonによりヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)において、RNF213が極めて強力に誘導される結果を確認した。interferonによるiPSECの細胞周期への影響を検討したところ、もやもや病を有さない提供者由来のiPS細胞では、刺激の無い状況ではmitotic failureを起こさず、interferonの投与によりmitotic failureを引き起こすことを見出した。この一方、R4810Kを有する患者由来のiPSでは、interferonの刺激がなくともmitotic failureの率が高く、刺激によってさらに増加することはなかった。
2: おおむね順調に進展している
申請時の研究計画に記載したように、1. RNF213 R4810Kにより感受性の高まる病態群の解明: 2006年から追跡を開始した家系において、内頚動脈終末部における狭窄病変は、追跡を行うことができた。また、過去の感染症の既往歴について聞き取り、系統的に行い現在集計中である。2. RNF213 R4757K 高発現Transgenic mouseの作製と形質の評価: 予定通り、トランスジェニックマウスおよび血管内皮細胞特異的Creマウス、血管平滑筋細胞特異的Creマウスを得ることができた。3. もやもや病発症にあたりRNF213 R4810Kとともに作用する環境要因の解明:Promoter Assay: Interferonにより、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)、およびiPS細胞では、ともに順調に実験は進行している。
1. RNF213 R4810Kにより感受性の高まる病態群の解明:フォローを継続し、過去の感染症の既往歴について聞き取り、系統的に行い集計を継続的に行う。2. RNF213 R4757K 高発現Transgenic mouseの作製と形質の評価:得られたマウスにおいて、血管内皮細胞および血管平滑筋細胞の特異的発現を、免疫染色を用いて検出できるかどうか検討する。不可能な場合は、臓器摘出によりwestern blottingで行う。その後、10‐20週齢でMRIの撮影を行うが、麻酔条件、保温について検討する。3. もやもや病発症にあたりRNF213 R4810Kとともに作用する環境要因の解明:Promoter Assay: Interferonによる反応を核内に伝える分子としてSTAT1が知られており、関与とpromoterへの結合部位を特定する。
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