研究課題
≪研究の目的≫ 我々が見出した、モヤモヤ病感受性変異R4810K について以下の研究を行った。≪本年度(~平成28年3月31日)の研究実施計画≫1. RNF213 R4810K により感受性の高まる病態群の解明:1)頭蓋内動脈狭窄病変の進展:2006年から追跡を開始した18家系中59名においてMRAにより内頚動脈終末部の進展を評価した。その結果、34例のR4810Kキャリアーの内、6名で狭窄が認められた。一方25名の野生型では狭窄は認められなかった。追跡では、11名中2名で新たに狭窄が出現し、1名で進展が見られた。一方8名の野生型では認められなかった。これらの所見は何れもキャリガー有意に頭蓋内病変のリスクが高いことを示した。2)虚血性心疾患の有無:家系内に若年で明らかなリスク要因が存在しないケースを認めるため虚血性心疾患のリスク要因と検討したところ、case では956例中37名のR4810Kキャリアが認められ、対照では714名中13名にキャリアーが認められ、有意に虚血性心疾患と相関した(odds 2.74, p=0.013)。2. RNF213 生化学: 我々は環境要因とRNF213の関係を知るために、PDGF、VEGF、Cytokines、TGFβの影響を検討したところ、INFβ、INFγで顕著な誘導が認められた。本誘導はStatを介することも判明した。また、INFβは血管新生を抑制することが知られており、この抑制作用には、RNF213の誘導が関与することが判明した。また、血管内皮細胞に特異的にRnf213 R4757(R4810Kのオーソログ)過剰発現させたマウスでは、低酸素による脳の血管新生が抑制された。以上から、RNF213 R4810K変異は血管新生を抑制することが示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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