研究課題/領域番号 |
25253048
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清原 裕 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80161602)
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研究分担者 |
秦 淳 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00448432)
小原 知之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20623630)
神庭 重信 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50195187)
北園 孝成 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70284487)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 頭部MRI / 認知症 / うつ病 / ADL / 糖尿病 / 海馬 / 疫学研究 |
研究実績の概要 |
(1) データベースの整備 本研究では,平成24年から25年にかけて福岡県久山町に在住の65歳以上の高齢者を対象とした高齢者調査を実施し、認知症,うつ病,ADLに関する包括的な調査を行うとともに頭部MRIを撮像した.平成26年度は上記の調査・MRI検査から得られたデータを整理し,疫学研究に必要なデータセットを整備した. (2) 糖尿病と海馬萎縮の関連. 頭部MRIを撮影した65歳以上の住民のうち,平成24年の循環器健診を受診し,かつ画像解析が可能であった1237名を対象に,糖尿病と海馬萎縮との関連を検討した.その結果,非糖尿病者と比べ糖尿病者では海馬容積が有意に小さく,この関連は他の因子で多変量調整後も認められた.さらに,糖尿病の罹病期間が長いほど海馬容積が小さくなることが明らかとなった.海馬萎縮の程度を血糖レベル別に検討すると,75g経口糖負荷2時間後の血糖レベルが200 mg/dL以上の群では140 mg/dL未満の群と比べ有意に海馬容積が小さかったが,空腹時血糖と海馬容積との間には明らかな関連がなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究に必要なデータベースを完成させることができ,統計解析に着手することが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,頭部MRIにおける脳の形態学的変化の背景因子について統計学的・疫学的に検討を続け,その成果を学会・論文等で公表する.また,研究対象者を前向きに追跡し,認知症・軽度認知機能障害の発症に関する情報を収集し,データベースを更新する.
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