| 研究課題/領域番号 |
25253050
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
岸 玲子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任教授 (80112449)
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| 研究分担者 |
池野 多美子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (80569715)
荒木 敦子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (00619885)
安住 薫 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (90221720)
宮下 ちひろ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任助教 (70632389)
中島 そのみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (70325877)
佐々木 成子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30448831)
花岡 知之 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員教授 (00228503)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 母子健康 / 環境化学物質 / 次世代影響 / リスク評価 / 神経発達 / 環境遺伝交互作用 |
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| 研究概要 |
１．胎児期の環境要因が児の成長発達や疾病発症に及ぼす影響を解明するために立ち上げた2つの前向き出生コホートの詳細な追跡調査を行い、胎児発育や学童期までの免疫アレルギー疾患、神経行動発達に及ぼす影響を検討している。 ２．1産院コホートでは、7歳時の行動発達、遊びの性向、育児環境等の質問紙調査とWISC-III(認知機能検査)と前頭葉機能検査を113名に実施した。 ３．大規模コホートでは、2歳時アレルギー調査票（ISAAC）を10,123名から回収した。2歳までのアレルギー疾患の累積有病率は気管支喘息19.3%、アトピー性皮膚炎17.8%、アレルギー性鼻炎4.4%であった。 ４．母児2,062名について、胎児期の有機フッ素化合物（PFAAs）曝露が2歳までのアレルギー症状発症に及ぼす影響を検討した結果、女児にのみ母体血中PFUnDA、PFTrDA濃度が高いほど湿疹の発症リスクが量反応的に低下した。 ５．大規模コホート8歳児ADHD調査票（Conners3P）に回答した1,272名について、妊娠中血漿コチニン濃度のADHD症状得点への影響を検討した結果、年収や養育環境などで調整すると関連は認められなかった。 ６．大規模コホートの1,633名を対象に、妊娠中受動喫煙曝露と多環芳香族炭化水素代謝関連遺伝子(AHR,CYP1A2, CYP1B1, GSTM1, GSTT1, XRCC1 2種類)多型との交互作用と児の出生時体格との関連を検討した結果、男児にのみ、妊婦のCYP1A2、CYP1B1およびXRCC1遺伝子多型で出生時体格が減少した。７．環境遺伝交互作用の解明では、パイロシークエンス法を用い、臍帯血DNA292件についてIGF2、LINE1、H19のDNAメチル化を定量分析した。各メチル化と母体血中PFOS/PFOA濃度との関連を検討した結果、PFOA曝露によるIGF2メチル化の低下が観察された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
北海道全域の前向きコホートの参加登録数20,929人について、追跡を継続している。大規模コホートでは、妊娠中母体血の有機フッ素化合物11種類（PFAAs）を、これまでに測定済みの2,095人に加えさらに700件測定が終了した。母体血・臍帯血の甲状腺ホルモンと甲状腺抗体も測定を開始し、順次データのクリーニングと連結を進めている。7歳時アレルギー調査と8歳時ADHD調査の累計回収数は3,059件と1,905件であり、順調に進んでいる。遺伝子解析についてはSNPs解析とメチル化解析により、先天的・後天的遺伝的要因と環境化学物質の曝露影響の検討が進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、1産院コホートにおいて、生後6か月、18か月、42か月時点の発達へのPCBs･ダイオキシン類およびPFAAs曝露影響を検討する。大規模コホートでは、引き続きアレルギー質問票を実施し、４歳および７歳のアレルギー疾患と化学物質曝露との関連を検討する。8歳時ADHD調査では、ADHD関連症状と測定済み化学物質のリスクを評価していく。また、妊娠中の受動喫煙とADHDの候補遺伝子（COMT,DAT1,DRD4など）との環境遺伝交互作用を検討する。EP1システム(Fludigm社製)の導入により、ダイオキシン類濃度とその解毒酵素遺伝子多型との関連について評価し、児の発育への健康影響を検討する。エピジェネティクスを含む環境遺伝交互作用の解明では、PCBsダイオキシン類、水銀などの環境化学物質曝露によるメチル化変化について解析を行う。また、成長因子であるIGF2メチル化の出生体重・生後発育への影響を検討する。
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