研究課題
(1)マイクロアレイ解析から同定した新規血清バイオマーカー・創薬の候補分子のスクリーニング:特発性間質性肺炎(IIP)患者の肺組織と健常肺組織のマイクロアレイ解析により、IIP肺では細胞間の相互作用および接着に関わる分子(DSG3, PCDHGA9, DDR1, MUC1)や細胞増殖に関わる分子(CDC25C, GFI1B)などが高発現していた。Pathway解析をおこないIIP肺においては細胞増殖関連の経路が亢進していることを示した。免疫組織染色をおこない、同定したバイオマーカー候補分子がIIP肺組織において高発現していることを確認した。(2)間質性肺炎の新規血清バイオマーカーの開発:新規バイオマーカー候補分子であるMMP-7とCCL18のIPFの血中バイオマーカーとしての有用性を検討した。MMP-7はKL-6と共に診断能、予後予測能に優れていることが示された。一方でCCL18は細菌性肺炎患者における疑陽性の問題点が明らかとなった。予後予測能の検討では、MMP-7とKL-6を組み合わせて使用することが有効である可能性を示した。(3)間質性肺炎の病態ならびに人種的な相違解明:日独のIPF患者における急性増悪の頻度の比較検討をおこなった。日本人IPF患者ではドイツ人と比較して急性増悪の頻度が高率であった。急性増悪と関連する背景因子の多変量解析をおこなったところ、人種差が独立した因子であることが示された。現在、日独のIPF患者のHRCT所見を両国の医師によって定量化する作業を進めており、この作業が終了次第、急性増悪と画像所見との関連についても検討する予定である。遺伝子多型の比較検討においてはFAM13Aの遺伝子多型は日本人コホートではIPF患者において健常者と比較して有意に高率であり、更に同遺伝子多型は急性増悪のリスク因子かつ予後不良因子であった。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件)
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