研究課題
孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、RNA編集酵素 adenosine deaminase acting on RNA 2 (ADAR2)の 発現が進行性に低下することが病因的メカニズムに深く関わっているため、ヒトADAR2遺伝子(ADARB1) の発現制御機構を解明することを目的とする。運動ニューロンにおけるADARB1の発現を解析するために凍結保存した正常対照ヒト脊髄より採取した単一運動ニューロン組織および対照組織(脊髄後角、白質)を用いたcap analysis of gene expression(CAGE)解析を行い、運動ニューロンに特異的なエンハンサーRNA(eRNA)発現部位を特定した。ADARB1遺伝子の上流領域につき、ENCODEおよびFANTOM5プロジェクトの研究結果を参考にし、ADAR2 活性の高い組織と低い組織のヒストン修飾の比較、CAGEタグ発現部位の比較から想定される、プロモーター・エンハンサー部位につき、転写因子結合モチーフを解析した。選定した転写因子から、運動ニューロンに発現している転写因子を抽出し、最も有力な15種類の転写因子を選定し、クローニングを行った。ADARB1遺伝子プロモーター領域のヒストン修飾から、より広い上流領域を含む領域がプロモーターとして働いている可能性が出てきたので、ルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポーターアッセイ系を追加構築した。このレポーターアッセイ系を用いて、上記の方法で選定した15種類の転写因子の活性を測定し、5種類について3倍以上のADAR2 活性上昇を認めた。さらに、これらを組み合わせることにより単独よりも2-3倍活性が上昇する組み合わせを得た。これら活性上昇作用のみられた転写因子をヒト由来培養細胞に過剰発現ないしノックダウンさせ、活性の変化を検討し、有意な変化が観察された転写因子を複数得た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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