研究課題
本研究の目的は、多発家系、治療抵抗性症例、稀な合併症例を用いてメタボローム解析を行い、プロトタイプとなる症例を同定し、その症例の代謝異常を一般症例まで敷衍して比較的小さい均一な一群を抽出して病態を解明することである。統合失調症を対象とし、Manchester Scale日本語版によって精神症状を評価し、Wechsler Adult Intelligence Scale 3rd とWisconsin Card Sorting Test慶応F-S versionにより認知機能を調べた。3)ペントシジンとピリドキサールの濃度により被験者を4群に分けて認知機能検査、精神症状評価の結果を統計解析…末梢血のペントシジン値55.2mg(健常者の平均値+2SDをカットオフ値)以上を高ペントシジン、ピリドキサール値男性6ng/ml、女性4ng/ml以下を低ピリドキサール値と定義し、4群(1群:正常ペントシジン、正常ピリドキサール、 2群:正常ペントシジン、低ピリドキサール、 3群:高ペントシジン、正常ピリドキサール、 4群:高ペントシジン、低ピリドキサール)に分けて比較した。29名の被験者のデータを収集し解析を行った。その結果、カルボニルストレス性統合失調症では作動記憶、視覚的長期記憶、即時記憶の低下、概念を見失う傾向にあることが確認された(小堀ら,第9回日本統合失調症学会,一般演題優秀賞受賞,2013, Kobori et al. CBSM2014-Yonsei BK21plus Joint symposium 2014)
2: おおむね順調に進展している
認知機能の障害と代謝異常が関連することを同定するなどおおむね順調である。
さらに症例を発展させる。プロトタイプ症例で同定された病態を反映させたモデルマウスを作製し、ヒトでの病態をマウスを用いて解析する。モデルマウスの病態が改善される分子を検討し、ヒトの病態を改善する治療薬の候補を同定する。さらに、認知機能関連の検討も発展させる。
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