研究課題
①大腸鋸歯状病変およびMSI大腸癌からのオルガノイド株の樹立、分子生物学的解析本年度は大腸serrated pathwayに帰属する大腸腫瘍オルガノイド株の拡充を行い、最終的には鋸歯状病変5株、MSI大腸癌8株を樹立した。レファレンスとなる非MSI大腸癌オルガノイド等を含め、55のオルガノイド株から成る大腸腫瘍オルガノイドライブラリが整備された。全てのオルガノイド株に対して詳細な分子生物学的解析を行った結果、大腸鋸歯状病変およびMSI大腸癌オルガノイドそれぞれに特徴的なプロファイルを同定した。さらに、ドライバー遺伝子変異と相関し、MSI大腸癌オルガノイドは通常培養に必要な幹細胞ニッチ因子への要求性が極めて低いことを見出した。②異種移植を用いたMSI大腸癌担癌マウスモデルの作製患者由来オルガノイドを用いた本年度までのin silico, in vitro研究の臨床への応用を視野に入れ、免疫不全マウスへの異種移植モデルを作成した。いずれのMSI大腸癌オルガノイドも臨床検体の病理像と類似した腫瘍を形成し、腫瘍形成能はニッチ因子要求性の程度を反映していた。さらに、脾臓に移植したMSI大腸癌オルガノイドはいずれもロバストに肝転移を形成し、個別化治療を見据えた機能的な橋渡しモデルを作製することに成功した③分子生物学的プロファイルに基づいた治療の導出①にて得られた臨床情報および分子生物学的情報がタグ付された大腸癌オルガノイド、および②にて得られた異種移植モデルに立脚し、腫瘍抑制効果を有する薬剤の検討を行った。大腸癌治療として保険収載されている薬剤をvalidationとして使用し、臨床での効果とin vitro, vivoでの腫瘍抑制効果が相関していることが確認された。現在幅広い薬剤を用いたスクリーニング系を整備しており、MSI大腸癌に有意に治療効果を発揮する治療薬の創出を目指している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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