研究課題
基盤研究(A)
分岐部気管再建に用いる人工気管のフレームを形成するメッシュの素材として、従来は非吸収性のポリプロピレン製マーレックスメッシュが用いられていた。本研究では、まずその素材を生体内吸収性のポリグリコール酸、ポリ乳酸製のメッシュに変更した人工気管を作製して、ビーグル犬の頚部気管における埋入実験を行った。性能を評価したところ、吸収性のメッシュにコラーゲンを重層した材料でもそれを足場として組織を形成して、air tightな構造物になることがわかった。しかしながら、内腔保持のために入れたステントが気管壁内のメッシュが吸収するにしたがって内腔に脱落してしまうことが判明した。この分解吸収性素材による気管再建の実験は、これまでに例のない試みであったが、内腔保持材料をいかに入れるかという課題が次に残されていることが明らかになった。従来のマーレックスメッシュを用いたY字型の分岐部用の人工気管に関しては、本年度はステントの入れ方を改良したものを作製した。ビーグル犬への埋込み実験で性能を評価する。
1: 当初の計画以上に進展している
頚部気管用の人工気管はすでに2002年より臨床応用が始まり、甲状腺癌の気管浸潤の患者などに対して使われて、その安全性と有効性が確かめられている。本研究では胸腔内気管、とりわけ気管分岐部で安全に使用できる人工気管の開発を目指している。これまでにコラーゲンと細胞のコンポジットを用いたビーグル犬の動物実験を進めて、当初の計画より良好な所見を得ている。すなわち分岐部気管再建では、問題になる吻合部の離解や狭窄が、これまでの人工気管に比べて少ないことが判明しているからである。
・埋込実験を継続しつつ、コラーゲンに含漬させる細胞の最適化を行う。・分岐部人工気管の再建をN=10程度ビーグル成犬で行い、上皮化、気管壁の組織再生を評価する。・CT撮影を行い、再建部気管内径の変化を解析し、安全性を確認する。
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