研究課題/領域番号 |
25253093
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 幸二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40244610)
|
研究分担者 |
松下 賢治 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40437405)
辻川 元一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (70419472)
林 竜平 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (70535278)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 眼病理学 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
緑内障は眼圧というメカノストレスに対する視神経乳頭の応答ととらえることができる。その応答の一つとして視神経乳頭のアストロサイトの反応は重要であると考えられている。しかし、この分子機構については現在のところ全く不明である。我々はiPS細胞から乳頭アストロサイトを作成し、メカノストレスに対する表現型を検討する系を作成している。本年度は、当院緑内障外来通院中の原発開放隅角緑内障258人および正常眼200人の血液からゲノムDNAを抽出し香港大学と共同で解析を行った結果、原発開放隅角緑内障患者の遺伝子に既報の変異とともに、新たな変異を検出した。これらの変異とアストロサイトの反応性について関連を検討していくことで、視神経乳頭の反応性分子機構を解明することが可能となる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、高眼圧動物モデルの作成とその観察系の開発、マウスから単離したアストロサイトの培養系の確立とin vitroの乳頭圧力負荷モデルの作成とその観察法を確立してきた。ヒト視神経乳頭の圧負荷モデルが出来た時に、用いる変異の候補を抽出するため、緑内障患者からのゲノムDNAより原発開放隅角緑内障の新たな変異を検出した。この変異をマウス(もしくは正常ヒト)iPS細胞に戻ってパラレル変異を導入し(ノックイン)、そこから導入されたアストロサイトの表現型を評価することができる。Human iPSからの誘導が遅れていることからやや進捗状況は遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、human iPSを作成し、視神経乳頭アストロサイトに用いて、この変異が緑内障感受性変異であるか検討する。また、患者よりiPS細胞を経由してアストロサイトを作成し、その表現型を基に遺伝学的背景を検索する。これらの知見から緑内障における発症メカニズムの解明や新規治療法の開発を行う。次に現在まで検討したインテグリン等の分子メカニズムの分子の発現量や変異について検討を行い、アストロサイト表現型との関連を検討する。また、これらの遺伝子をiPS細胞上で改変するか、ex vivoでの発現調整(ノックダウン等)を行うことで、アストロサイト表現型の変化を検討し、これらシグナルがアストロサイト表現型の上流に位置しているかどうかを検討する。
|