研究課題/領域番号 |
25253104
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉江 弘正 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143787)
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研究分担者 |
高柴 正悟 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50226768)
永田 俊彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (10127847)
三谷 章雄 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50329611)
石原 裕一 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50261011)
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (00215344)
木戸 淳一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (10195315)
大森 一弘 岡山大学, 大学病院, 講師 (20549860)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | サイトカイン遺伝子 / 歯周炎 / 糖尿病 / 関節リウマチ |
研究実績の概要 |
1) 3年目の本年度は対象者数684名(歯周炎190名、糖尿病138名、関節リウマチ200名、健常156名)となり、17サイトカイン遺伝子多型の解析の結果、KCNQ1リスク遺伝子型の頻度が健常群と比べて歯周炎・リウマチ群で高い傾向にあった。今後、更に症例数を追加予定である。 2)歯周炎群で病変部のインターロイキン6(IL-6)遺伝子プロモーター総メチル化率が減少したが、健常群では有意差はなかった。歯周炎群では健常群と比べて病変部のIL-6 mRNA発現減少率が高く、歯周炎ではIL-6プロモーター低メチル化によるIL-6高発現状態にあることが示唆された(新潟大学)。 3)ヒト歯肉線維芽細胞において、最終糖化産物(AGE)がMAPKのP38やERK経路を介してIL-6発現を増加させることを見出した。また、siRNAによるIL-6のノックダウン実験系を確立し、AGE刺激によるIL-6やICAM-1発現へのシグナル経路を検討している(徳島大学)。 4)IL-6が膜タンパクの一つであるカベオリン1を介してリソソーム酵素のカテプシンBおよびLの分泌を促進する知見を得た。自己免疫誘導性トランスジェニックマウスに接種するPorphyromonas gingivalis peptidylarginine deiminases、enolase組み換えタンパクの構築を検討している(岡山大学)。 5)rIL-35添加によりTh17細胞に関連するRORA、IL-17 mRNA、IL-17蛋白産生も抑制されたことから、IL-35がTh17細胞に直接作用し、IL-17産生を抑制する可能性が示唆された。また、IL-1レセプターアンタゴニストがmatrix metalloproteinase 13の作用を抑制することで歯周組織の保護の役割を担う可能性を報告した(愛知学院大学、松本歯科大学)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は各大学で積極的に患者収集とサンプリングを行い順調に進展しており、目標対象数の約9割を確保できた。遺伝子解析についても、すべての項目について解析途中で最終結論ではないが、新規の知見を含む研究実績が得られつつある。
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今後の研究の推進方策 |
1)リスク遺伝子多型解析の例数追加(全員担当):症例数を更に追加して、各群200名まで各解析を行い、詳細に検討して、研究成果の再現性・信頼性を高める。 2)リスク遺伝子のメチル化・コード蛋白解析(新潟大学担当):IL-6・TNF-alphaプロモーター領域メチル化解析を更に進めて当該コード蛋白産生能や疾患との関連を解析する。 3)遺伝子ノックダウン細胞のシグナル伝達解析(徳島大学担当):siRNAにてIL-6遺伝子ノックダウンし、最終糖化産物刺激によるIL-6やICAM-1発現へのシグナル経路、糖尿病関連マーカーを解析する。 4)トランスジェニックマウスでの解析(岡山大学担当):自己免疫誘導性トランスジェニックマウスにPorphyromonas gingivalis peptidylarginine deiminases,enolase組み換えタンパク質を接種し、リウマチとの関連性を評価する。 5)遺伝子ノックアウトマウスでの解析(愛知学院大学・松本歯科大学担当):IL-1Raノックアウトマウスにて糖尿病・リウマチ関連マーカーを解析する。
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