研究課題/領域番号 |
25253106
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川口 孝泰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
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研究分担者 |
浅野 美礼 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00273417)
市川 政雄 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20343098)
佐藤 政枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30363914)
大久保 一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40323307)
東 ますみ 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (50310743)
川上 康 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70234028)
内藤 隆宏 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50552155)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 在宅医療 / 遠隔看護 / 訪問看護ステーション / クラウド / システム構築 |
研究概要 |
23年度は、遠隔看護実施の初期整備を行いながら、対象とするモデル地区の医療状況や、健康課題などの実態把握と、当該地区の費用対効果について、現状を把握した。モデル地区の診療所や対象地域を管轄する保健所と連携を図り、現在、取り組んでいる健康教育や療養指導を明らかにし、「医療状態や生活状況」、「モデル地区内外における医療・保健サービスの利用状況」について実態を把握した。調査事項は以下のものである。 ①健康教育や療養指導では、教育・指導内容:目的、方法、教育・指導する者の職業、参加募集方法、参加率など、②医療状態や生活状況では、医療状態、人口動態、医療費、罹病患者数、死因別死亡数、定期健康診断受診率、要介護度、生活習慣病患者数、生活状況など、③モデル地区内外における医療・保健サービスの利用状況では、診療所の受診率、診察時の交通手段(方法・時間・費用)、往診の利用状況と理由、診療上への紹介率と紹介基準、提携医療機関との連携方法、診療施設の規模、交通手段、医療費、受診時の重症度など、④訪問看護ステーションでは、利用者の特性(利用目的、要介護度、ケア内容、利用頻度、指示書発行医療機関)、利用している訪問看護ステーションの場所や訪問する看護師の交通手段(方法・時間・費用)など。また、同時に次年度からの遠隔看護の実施に向け、広報活動と情報リテラシーの普及に努め、モデル地域の遠隔看護への支援ニーズなどの調査を実施した。 24年度の準備として、上記で明らかになった実態を踏まえ、当該地区のユーザビリティに即したシステム開発・設計を行った。基盤としたシステムは、先行研究で行っている「臨床応用に向けた遠隔看護システムの開発」(科学研究費基盤研究(A))を基本に、クラウドベースのシステム構築に向けた取り組みを行い、実際の運用に向けた試験的取り組みを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
遠隔看護を実施する対象地域の地域特性の把握と同時に、対象となった訪問看護ステーションの情報リテラシー及びユーザビリティーを前提としたシステム構築の必要性に迫られたために、24年度に予定していたシステム構築の実施を前倒しで行った。そのシステム構築では、近年の情報技術の進歩に合わせたクラウドベースのシステム構築の必要性に迫られたために、当初に予算立てした支出とは異なる使用内訳で研究が一部前倒しに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
実施対象とした訪問看護ステーションと、メインセンターとしている筑波大学健康医科学イノベーションセンターにおいて、連携をとりながら、クラウドベースでの情報処理および管理をおこなう予定である。その他、訪問看護ステーションのみならず、クラウドベースのシステムを生かし、サブセンターが設置される場所は、複数の訪問看護施設や、コンビニエンスストア、県民局、地域に展開する各種ケア施設、および産業保健分野における健康管理部門などであり、担当看護師から直接的なケアおよび遠隔看護が実施されることになる。緊急度が高い場合は、これまでの人間対人間の看護実践の基本を守りながら、担当看護師および担当医師が直接的な介入を行ない、ケア対象に適切で高度な技術を提供することが可能となる。このシステムの目的は、超高齢社会の到来、および在宅型医療の変化に伴って、21世紀型の新しい医療環境のなかで、看護専門職が果たすべき新しい臨床応用と、その役割を提案することにある。 本研究における具体的な遠隔看護の内容は、以下の事項をターゲットとした継続看護とする。1)セルフケアレベルに応じた健康管理、2)生活習慣病者への自立支援、3)術後患者の回復管理、4)退院後患者の継続看護、5)介護・看護者への支援
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