研究課題
本年度は、ラオス中部サワンナケート県のタイへの出稼ぎが多い平野部の天水田農村のソンコン郡グッヒー村、および焼畑陸稲作を中心に自給的な生活を営むセポン郡アランノイ村において調査を実施した(5月下旬から6月上旬、8月下旬から9月上旬、2月)。さらにグッヒー村住民の出稼ぎ先であるタイ・バンコクにおいても調査を実施した(11月)。グッヒー村の調査では、前年度まで実施してきた過去約100年間の村民の人口変化と水田開拓の歴史をより精緻化し、人口と生業の動態を世帯レベルのミクロなデータで検証するために、(1)水田開拓・相続の歴史復元、(2)過去の世帯員数・構成の復元、(3)村の生業変化の歴史、(4)家族計画(避妊)普及のプロセス、という4項目について集中的に調査した。出稼ぎに関しては、バンコクにおいて、出稼ぎに来ている54名のグッヒー村人にヒアリング調査を実施した。その結果、バンコク出稼ぎ者の属性、移動歴、出生動向、送金額などについて、135名分の分析が可能となった。加えて、チェーン・マイグレーションの詳細を確認するため、就労先の情報提供者を個人単位で特定する質問を行い、情報ネットワークの分析を進めている。アランノイの調査では、これまでの調査により、女性の有配偶出生率が4未満と低い水準にあることがわかった。この低出生の原因を探るため、(1)食事調査による栄養評価、(2)生活時間調査によるエネルギー消費の測定、(3)再生産可能年齢(15-49歳)の女性の月経周期の観察、ならびに(4)年齢推定の再検討、という4項目の調査を実施した。昨年度から継続させている住民の食事調査では、食品の大部分が採集・栽培されたものであり、また食料調達における子どもの役割が大きいことなどが明らかになった。以上の結果をメンバーが国内外の学会で研究発表を行い討議を経て議論を精緻化し、現在、論文化に取り組んでいる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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