研究課題
最終年度であるので、業績の整理とまとめの作業を中心に行った。広義の安全保障文化の基層についての担当の国・地域における特徴を明らかにし検討した。個別のテーマは国によって異なっていたが、それぞれの安全保障文化や価値規範や思考行動様式を議論した。その結果については、日本公益学会のシンポジウムで研究成果を報告し、広く関連研究者に問いかけることができた。成果としては、もちろんそれぞれの国・地域の特徴があるが、テーマを超えて規範の背景となる価値が収斂していく傾向が見られる事、また、ドイツの防衛安全保障観が変化していった例にみられるように固有なものと考えられがちな安全保障文化そのものが変容するという点について、意見が一致した。それは、また、この分野での思考様式や行動様式の一元化というプロセスを通して、EU全体のガバナンス形成に大いに寄与することになる。ここでは、法制度を超えた双方向的で水平的な合意形成として、ガバナンスを理解する。そのプロセスや結果はアメリカとは異なった形でEUの場合は示されている。研究分担者各自はそれぞれの地域・分野において、こうした視点での研究を深めることができ、同時にそのリサーチプロセスを通して、各国の専門家との間に関係を深め、ネットワークを構築することに成功した。現在、今秋の出版を目指して、共著作(仮題:安全保障文化の比較研究:芦書房)の準備を進めている。今後は、この安全保障文化が、外交や外交当事者にどのように影響を持つかという点とそれぞれの地域や国によって異なった現象として現れるプロセスについて、考察を深め、モデルを検証できるようにしたいと思う。最後にこうした諸地域との比較検討をする中で、日本外交・安全保障文化について、検証できればと考える。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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現代史研究
巻: 第12巻 ページ: 67-81
外交
巻: 1月号 ページ: 100-105
平和国家日本の戦後70年
巻: 2月号 ページ: 電子版
『阪南論集』社会科学編
巻: 51巻3号 ページ: 61-74
アメリカ太平洋研究
巻: 16巻 ページ: 135-139
海外事情
巻: 12月号 ページ: 2-19
国際政治
巻: 182 ページ: 1-15
国際問題
巻: 641 ページ: 39-48
ドイツ研究
巻: 49 ページ: 19-32
国際関係論叢
巻: 4巻2号 ページ: 73-102
中公クラシックス
巻: 7月 ページ: 1-19
巻: 182 ページ: 58-70