研究課題/領域番号 |
25257106
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高崎 善人 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00334029)
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研究分担者 |
小暮 克夫 一橋大学, 経済研究所, 講師 (00610057)
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研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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キーワード | 開発経済学 / 社会実験 / 自然実験 / 貧困 / 社会政治制度 / 国際研究者交流 / カンボジア:ナイジェリア:ルワンダ:ペルー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、複数の途上国のフィールドで社会実験あるいは自然実験に伴うミクロデータを収集、分析し、開発経済学ならびに開発政策に貢献するグローバル標準のエビデンスを導くことである。2年目の今年度は、主に次を実施した。 1. ポルポト政権ならびにその崩壊を自然実験とした「カンボジア地域開発調査」に係る、現地調査を行った。主に、政府データの整備、学校・保健施設ポイント調査、学校・保健施設基礎情報調査を実施した。 2.「ナイジェリア母子健康実験」に向けて、次の2つのテーマに関して、産前検診実験データの分析を行った。1)条件付現金給付の産前検診受診への効果における持続性と相補性。2)産前検診受診の出産、産後検診、予防接種、乳幼児死亡への効果。後者について、成果発表を行った。また、調査立案(保健施設出産等)のための情報・資料収集を行った。 3. ルワンダ大虐殺を自然実験とした「ルワンダ障害者技能訓練調査」に係る、文献調査、概況調査(民族、障害等)、既存データ(訓練希望者を対象としたスクリーニングテスト)の整理・分析、調査・分析手法(Regression Discontinuity)の検討を、継続して行った。現地調査を2回実施した。第1回調査では、主に、訓練センター、訓練修了者・非参加者への訪問、聞き取り、関連政府機関、現地カウンターパート候補への訪問、聞き取りを行った。現地カウンターパートの選抜、調査票作成予備作業を経て、第2回調査では、主に、調査票作成本作業、試験調査を行った。 4. 自然環境変化を自然実験とした「ペルー熱帯林貧困調査」に係る、現地調査、データ収集・分析を継続して行った。主に、森林農民の脆弱性、頑強性、順応性に関する共同体・家計調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「ペルー熱帯林貧困調査」において、調査農村へのアクセス、調査村家計の一時的移住、現地調査体制の再整備等により、当初の計画に較べ、共同体・家計調査により多くの時間を要した。「カンボジア地域開発調査」において、現地政府の対応の遅れにより、学校・保健施設ポイント調査、学校・保健施設基礎情報調査に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
1. カンボジア調査:「カンボジア地域開発調査」に係わる現地調査ならびにデータ整備・分析を継続して行う。主に、政府データの整備、学校・保健施設ポイント調査・分析、学校・保健施設基礎情報調査・分析からなる。また、調査立案のための情報・資料収集を行う。 2. ナイジェリア調査:「ナイジェリア母子健康調査」に係わる現地調査を行う。主に、フィールド調査・実験デザイン、予備調査・実験、データ収集を行う。また、産前検診実験データの分析を継続して行う。 3. ルワンダ調査:「ルワンダ障害者技能訓練調査」に係る、現地調査、データ整備・分析を行う。主に、訓練希望者調査、家計調査、共同体調査、協同組合調査、フィールド実験からなる。 4. ペルー調査:「ペルー熱帯林貧困調査」に係わる、現地調査、データ整備・分析を行う。主に、共同体・家計調査、リモートセンシング分析からなる。
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