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2014 年度 実績報告書

アフリカにおける地方経済活性化と資源保全に関する実証研究-タンザニアの事例-

研究課題

研究課題/領域番号 25257107
研究機関京都大学

研究代表者

池野 旬  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40293930)

研究分担者 田中 樹  総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10231408)
上田 元  東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (10241514)
小川 さやか  立命館大学, その他の研究科, 准教授 (40582656)
樋口 浩和  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50303871)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード地域経済振興 / 社会経済変容 / 資源保全 / タンザニア / 農村開発
研究実績の概要

2年度目である平成26年度には、2014年8月~9月と2015年2月~3月に研究代表者と複数の研究分担者がタンザニアにおいて現地調査を行い、同時に現地で研究打ち合わせを行った。平成26年度の現地調査の主たる目的は、初年度の平成25年度に暫定的に選定した調査対象地において予備的な実態調査を実施して、その対象としての妥当性を再検討することと、それぞれの地域において今後掘り下げていくべき調査課題を絞り込んでいくことであった。調査対象ちとして現地調査を行ったのは、(1)北東部タンザニア最大の都市であるアルーシャ州アルーシャ市、(2)換金作物としてコーヒーを栽培し植林を実践している同州アルメル県山地村、(3)人口が急増しつつある地方中小都市であるキリマンジャロ州ムワンガ県ムワンガ町、(4)換金作物のコーヒー栽培から撤退し、それを代替するような有力な換金作物が見つかっていない同県山地村、(5)山地村と比べて農業生態条件に恵まれない中でオレンジを換金作物として多量に栽培しているタンガ州ムヘザ県平地村であり、さらに中部タンザニアのモロゴロ州モロゴロ農村県山地村を訪問し、新たな換金作物としてバニラが普及しつつあることに着目した調査課題の設定について打ち合わせた。上記の調査対象地のうち、(2)と(4)にはすでに平成25年度に気象観測装置を設置しており、平成26年度の現地調査において、蓄積データを回収し、機器が正常に機能していることを確認した。
日本国内においては、本調査研究課題に密接に関わっている地域経済振興についての文献を輪読する会も大学院生を交えて開催し、日本の地域経済振興の経験や問題点についての知識を深め、タンザニアへの応用の可能性について議論する機会を持った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第1に、平成25年度年度末に取得したタンザニア中央政府からの調査許可ならびに在留許可が有効であったため、2つの許可にそれぞれ関わる科学技術委員会ならびに出入国管理局の所在するダルエスサラーム市で時間を取られることなく、迅速に調査地での調査活動を開始することができた。
第2に、タンザニアの現地において、研究代表者、研究分担者が一同に会して、複数の調査地の現状について意見交換することができ、一定の共通認識を持ち得たことは、今後の研究遂行上大きな意義があった。
第3に、初年度に調査を開始した北東部タンザニア諸州諸県に加えて、中部タンザニアのモロゴロ州モロゴロ農村県で調査を開始でき、地域間比較の視座を充実できるようになった。
第4に、日本国内においては、地域経済振興やタンザニアの最近の経済事情に関する文献を用いた読書会を継続し、さらに知見を深めることができた。

今後の研究の推進方策

2年度目も初年度と同様に、ほぼ順調に研究を遂行しえた。そのため、3年目にあたる平成27年度以降も、予算の枠内で、できうるかぎり研究計画書に沿って研究を遂行していく予定である。主たる計画は、下記の北部・中部タンザニアの複数の調査対象地等における現地調査である。
1)アルーシャ市:都市人口が増大しつつあり、それに伴う薪炭や建材・家具製造のための木材需要の増大について、流通量や調達先等に関する調査を行う、2)アルメル県ソンゴラ村:アルーシャ市への木材資源の供給地の一つであり、近隣の植林地域で実践されているアグロ・フォレストリーやコーヒーに代わる換金作物の導入について、その実態を明らかにする、3)ムワンガ県ムワンガ町:人口増加が著しい小地方都市の周辺で発生しつつある土地、水資源に関する紛争の事例についての情報収集を継続するとともに、農業生産を阻害する土壌浸食の防止策について試行錯誤する、4)ムワンガ県ムクー村:主要な換金作物であるコーヒーの生産が壊滅的に減少しており、熱帯果樹・温帯果樹等の新たな換金作物の導入の可能性について検討していく、5)ムヘザ県ムクズィ村:オレンジ生産ならびに流通をめぐる民族対立についての現状を把握する、6)モロゴロ農村県キボグァ村:10数年前に新たな換金作物として導入されたバニラの栽培が定着しており、懸案となっている加工・流通方法の改善について情報収集する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] グローバルな消費のモードと連接するローカルな生産・流通のモード2014

    • 著者名/発表者名
      小川さやか
    • 雑誌名

      民博通信

      巻: 146 ページ: 22-23

  • [学会発表] インドネシアとタンザニアのホームガーデンにおける構成樹種の類似性2015

    • 著者名/発表者名
      高田華菜子、樋口浩和、田中樹、池野旬
    • 学会等名
      日本熱帯農業学会
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2015-03-14
  • [学会発表] タンザニアにおける地方経済の展開-『コモンズ論』の視点から-2014

    • 著者名/発表者名
      池野旬
    • 学会等名
      日本アフリカ学会
    • 発表場所
      京都大学(京都府京都市)
    • 年月日
      2014-05-25
  • [学会発表] Unionization of Street Traders: The Riots and Politics of the Street in Tanzania2014

    • 著者名/発表者名
      小川さやか
    • 学会等名
      International Union of Anthropological and Ethnological Sciences
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2014-05-16
  • [図書] アフリカ土地政策史-国家と社会の一世紀-2015

    • 著者名/発表者名
      池野旬(武内進一編)
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      アジア経済研究所
  • [図書] アフリカの土地と国家に関する中間成果報告2014

    • 著者名/発表者名
      池野旬(武内進一編)
    • 総ページ数
      287(6-41)
    • 出版者
      アジア経済研究所

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公開日: 2016-06-01  

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