研究課題
1)Coral triangle海域の主要国であるインドネシア、フィリピンを対象に行ってきた炭酸系ならびに関連する物理・化学・生物過程に関する観測結果をとりまとめた。そのうち、インドネシア海域については国際学術誌(J. Geophysical Res.)で論文発表を行った。観測データの解析結果から、人間活動や河川からの影響が顕著な海域では、CO2の放出域になっていることが示された。2)多重ネスティング海流モデルに陸源負荷モデルをカップリングさせた海域-陸域カップリングモデルに、炭酸系動態モジュールを組み込んだ低次生態系モデルを組み込むことで、炭酸系動態統合モデルシステムを完成させた。これにより河川から流出した栄養塩による海域の植物プランクトンの増殖や、有機物の海域への拡散および中深層への輸送や分解、それに伴う海水のCO2分圧の変化などが計算可能となった。3)マングローブ林の土壌中の炭素蓄積量に影響を及ぼす生物擾乱に関する現地観測とそれに基づくモデル化を行い、マングローブ生態系のブルーカーボン動態モデルの高度化を進めた。4)マングローブとともにブルーカーボン生態系を構成する主要要素の一つである海草藻場に関して、複合環境ストレス下での成長・衰退を定量的に評価可能な海草藻場動態モデルをSAVモデルをベースに開発した。5)溶存無機炭酸の安定同位体比を用いてサンゴ礁とそれに隣接する海草藻場における炭素固定量を評価し比較するために、データ収集を進めるとともに、過去の研究事業で取得されているデータを整理して比較検討した。物理データの校正が終了次第、論文の作成に取りかかる予定である。またフィリピンの海草藻場堆積物の有機炭素含量と物理特性(炭酸塩含有率、比表面積等)の分析を進め、3月末までに完了した。これに基づき、ブルーカーボン隔離量の規定因子とその地域特性について解析を進めている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件)
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