1)北部ベトナム・キリスト教会堂建築の実測調査・データベースに関するフエ研究集会の実施:本研究の最終年度として、北部ベトナム、ナムディン省ブイチュ教区とニンビン省ファットジェム教区を中心に2007年より継続的に実施してきた歴史的教会堂の実測調査の成果を総括するとともに、その調査成果などを格納したデータベースシステムを現地関係者に還元するための研究集会を、中部フエ市において2017年11月18‐19日に実施した。同年7月、フエ科学大学建築学科とフエ外国語大学日本文化科、上記両カトリック教区本部に対して、事前の交渉と調整を行った。研究集会には、両教区から3名の担当神父、フエ大学科学大学建築学科・副学科長Nguyen Ngoc Tung氏、外国語大学日本文化学科・学科長Nguyen Thi Huong Traはじめ教員8名と学生 22名などベトナム人参加者は35名であった。フエ大学の両学科からそれぞれこれまでの調査の総括発表が行われ、また両教区およびフエ大学建築学科に対しデータベースシステムの利活用に関するガイダンスと講習を行った後、システムごと当該データを引き渡した。 2)タイ・バンコクカトリック教区における教会堂建築調査の実施:比較の観点から、タイ・バンコク市のカトリック教区において、アサンプション大聖堂、サンタ・クルーズ教会など計11件の教会堂建築を対象に、2017年8月と2018年2月に実施した。あわせてタイカトリックの歴史をまとめた書籍(タイ語)とバンコク市内の教会の所在を記した地図を入手した。 3)論文等発表:これまでの調査研究の成果に基づき、2017年7月の日本建築学会北陸支部研究報告会、9月の年次大会に2篇の論文を発表した。また、2018年10月にイランのタブリーズで開催予定のイコモス学術専門委員会CIAVの国際会議に論文を投稿中である。
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